HitBTCは、2013年に開設されたイギリス拠点の海外仮想通貨取引所です。
現物取引専門で、日本で仮想通貨ブームが起こった2017〜2018年頃に高い人気を集めました。
現在でも380種類以上の仮想通貨を-0.01%~0.1%という格安の手数料で取引できることから、世界中の投資家が利用しています。
本記事では、取扱銘柄数や手数料の安さが魅力の仮想通貨取引所「HitBTC」の評判について、取引所としての概要について触れた上で、
- 利用上のメリットとデメリット
- 投資家の方々による口コミ
- トレードスペック
- 利用上の注意点
といった点を中心に分かりやすく解説します。
※HitBTCと同じく草コイン投資に強い取引所なら、「Bybit」や「MEXC」がおすすめです。
HitBTC(ヒットビーティーシー)とは
HitBTCは、取り扱い通貨の豊富さと手数料の安さが魅力の海外仮想通貨取引所です。
国内における知名度こそ高くはありませんが「草コイン」と呼ばれる新興の仮想通貨が多数取引可能。
特に2017〜2018年にかけて一攫千金を狙うトレーダー達の間で高い人気を集めました。
日本向けサービスは現在行っていない
2024年5月現在、HitBTCは金融庁からの警告を受け日本在住者向けのサービスを停止しています。
KYC(本人確認)を行えば日本在住者であってもアカウント作成やログインは行なえます。
ですが、利用可能なサービスは出金手続きのみ。
他の機能を利用しようとすると、日本からのアクセスでは使用不可能である旨のメッセージが表示されるようになっています。
HitBTCの基本情報
HitBTCに関する基本的な情報について以下の表の通りです。
項目 | スペック |
---|---|
取り扱い通貨数 | 380種類以上 |
取引手数料 | −0.01(リベートシステム)〜0.1% |
送金手数料 | 通貨ごとに異なる(下記参照) |
日本語対応 | なし |
取引方法 | 現物取引 |
取引ツール | Trading View |
セキュリティ対策 | 2段階認証のみ |
また送金手数料に関しては、下の表のように通貨ごとで異なる割合が設定されています。
仮想通貨 | 送金手数料 |
---|---|
BTC | 0.001BTC |
ETH | 0.00958ETH |
BCH | 0.0018BCH |
LTC | 0.003LTC |
基本的なトレードスペック以外のHitBTCにおける特徴としては、
- 2013年にイギリスで設立、拠点はシカゴ
- 380種類以上の仮想通貨が取引可能
- 2018年には取引高で世界トップ10に入るなど、取引量の多さでも有名
- ブラウザやスマホアプリの利便性が高い
といった点が挙げられます。
HitBTCの設立情報(これまでの歩み)
HitBTCは2013年にイギリスで設立された老舗の海外仮想通貨取引所です。
現在はシカゴに拠点を移しており、IOC直後の通貨を含む380種類以上の仮想通貨を取り扱っています。
ですが、HitBTCでは2018年6月以降、日本人居住者向けのサービスを停止しています。
これは、HitBTCにおける「口座開設を行う際に本人確認手続きを必要としない」という規定が日本の改正資金決済法に抵触する為です。
HiTBTC側は日本国内での子会社設立と日本向けサービスの再開を検討中であると発表。
今後日本に居住している方でもHitBTCでの取引が行えるようになる可能性は十分考えられます。
HitBTCの安全性・セキュリティ
HitBTCではセキュリティ対策として、ログインパスワードと確認コードによる2段階認証の仕組みが採用されています。
ですが他の仮想通貨取引所のようにコールドウォレット(※)やマルチシグ対応(※)といったセキュリティ対策は実装されておらず、安全面で不安がある点は否めません。
実際、HitBTCは2016年にハッキング被害を受けた経験があります。
HitBTC側が事件に関する情報提供を拒否した為詳細は不明ですが、多くのトレーダーから通貨の流出や出金遅れについて訴えられています。
前述した不透明な運営実態も相まって、HitBTCを危険視するトレーダーの方もいるのが現状です。
HitBTCを利用する際には、多額の通貨を保有したままにしておくのを避けるようにしましょう。
HitBTCの総評
仮想通貨取引所HitBTCについてまとめると、
- 2013年設立の老舗取引所で取引高上位
- 380種類以上という取引銘柄の多さ
- 現物-0.01%~0.1%、取引手数料が安い
- バブル期に草コイン投資家間で人気だった
- セキュリティ面で不安がある
- 現在、日本からは利用できない
ということでした。
現在は国内利用が不可能ですが、HitBTCの公式Twitterアカウントでは、「日本向けに子会社を設立してサービスを再開する」旨をツイートしています。
ですが、前述したリスクも考慮し、今後国内向けサービスが再開した場合は、資金管理を国内取引所もしくは自己保管で行うことをおすすめします。
HitBTCのメリット
ここからはHitBTCを利用する際のメリット・デメリットについて、HitBTCが持つ取引所としての特徴と合わせて見てみましょう。
- 取引手数料がとても安い(-0.01%~0.1%)
- リベートシステムを採用している
- 取り扱い通貨数が多い
- 草コインの上場が活発
- カスタマイズ性が高い
- 入出金制限がない
HitBTCで仮想通貨取引を行うメリットとしては、次のような点が挙げられます。
取引手数料がとても安い(-0.01%~0.1%)
HitBTCは他の仮想通貨取引所と比べて、取引手数料が非常に低く設定されています。
下の表はHitBTCにおける取引手数料を取引銘柄ごとにまとめたものです。
一般的な海外の仮想通貨取引所における取引手数料が0.1〜0.3%であることを考えると、HitBTCの手数料がいかに割安であるかが分かるかと思います。
取引銘柄 | Maker手数料 | Taker手数料 |
---|---|---|
BTC | −0.01% | 0.1% |
ETH | −0.01% | 0.1% |
ETC | −0.01% | 0.1% |
XRP | −0.01% | 0.1% |
LTC | −0.01% | 0.1% |
なお、HitBTCにおけるメイカー手数料がマイナス値をとっている理由については、次にご紹介する「リベートシステム」の項目で解説します。
リベートシステムを採用している
リベートシステムとは端的に言うと、指値注文が成立した際に払い戻しを受けられる仕組みのことです。
HitBTCでは指値注文により通貨を購入すると手数料が無料になる上、0.01%分の払い戻しを受けることができます。
リベートシステムは海外取引所ならではの仕組みで、HitBTC以外ではZaifでも同様の取り組みを行っていました。
取り扱い通貨数が多い
HitBTC最大の特徴が、世界屈指の取り扱い通貨数を誇る点です。
ビットコインやイーサリアム・ライトコインといったメジャーな仮想通貨はもちろん、新興通貨を含む多様なアルトコインも取引可能となっています。
草コインも多数取り扱っている為取引可能な通貨は絶えず変化しますが、HitBTCでは2024年5月現在、800種類以上の仮想通貨ペアの取引が可能です。
草コインの上場が活発
HitBTCでは草コイン(新興通貨)の取り扱いにも力を入れています。
草コインとはアルトコインの中でも知名度・時価総額が低く、投機性の高い仮想通貨のことです。
IOC直後の通貨は短期間で価値が数十〜数百倍に膨れ上がるものが存在する為、ハイリターン狙いの投資家達の間で高い人気があります。
HitBTCを利用する際には、一攫千金狙いでこうした草コインを取引してみるのも1つの戦略です。
ただし草コインは値動きが激しい為、余剰資金を使って分散投資を行うトレードスタイルを取るように心がけましょう。
また将来性の高い草コインを見極める際には、「開発者による進捗状況の共有度合い」や「コミュニティが活発に動いているか」といった点に注目してみると良いでしょう。
カスタマイズ性が高い
HitBTCではレイアウト編集やブラウザモードの変更といった各種カスタマイズ機能を簡単操作で使用可能です。
取引ツールであるTrading View自体の持つ柔軟性と組み合わせることで、より一層使い勝手の良いトレード環境を構築することができます。
入出金制限がない
HitBTCには仮想通貨取引所の中では珍しく入出金制限がない為、登録後すぐに大量の取引を無制限で行うことができます。
また最低取引量に関する規定も存在しないので、少額での取引から始めたいという仮想通貨初心者の方にもおすすめです。
HitBTCは数ある仮想通貨取引所の中でも特に自由度の高いプラットフォームであると言えます。
HitBTCのデメリット
では次に、HitBTCを利用する際のデメリットについてご紹介します。
- 日本語に対応していない
- BTC・ETHの入金に手数料が必要
- レバレッジ取引ができない
- セキュリティ対策が不十分
それでは、ひとつずつ解説していきましょう。
日本語に対応していない
2024年5月現在、HitBTCが対応可能な言語は英語・中国語・スペイン語・ポルトガル語・トルコ語の5つで、日本語には対応していません。
以前は一部日本語に対応したサービスも存在しましたが、日本の居住者向けのサービスを停止して以降は日本語非対応となっています。
現時点で公式ホームページ等からHitBTCに関する情報収集を行う際には、スマートフォンの自動翻訳機能や投資家の個人ブログを活用する方法がおすすめです。
ビットコイン・イーサリアムを入金する際は手数料が必要
HitBTCの口座にビットコインを預金する際には0.0006BTCの、イーサリアムを預金する際には0.03ETHの預金手数料がそれぞれ必要となります。
その為、入出金制限がないからと言ってビットコインやイーサリアムを1日に何度も預金していると思わぬ損失に繋がりかねません。
仮想通貨は時期によっては非常に激しい値動きをするので、HitBTCでこれら2種類の仮想通貨を取引する際には現在のレートや預金手数料を大まかに把握する習慣をつけましょう。
レバレッジ取引ができない
HitBTCは現物取引のみを取り扱っており、レバレッジトレードには対応していません。
よりハイリスクハイリターンのトレードを希望する方は、レバレッジトレードに対応した仮想通貨取引所を利用しましょう。
セキュリティ対策が不十分
HitBTCのセキュリティ性は先程もお伝えした通り、高いとは言えません。
最低限のセキュリティ対策として2段階認証が実装されてはいますが、2016年のハッキング被害のような事例が今後繰り返されるケースを常に想定しておくべきです。
HitBTCを利用する際には、他の国内取引所の利用や自己保管による資産管理を行うように心がけましょう。
HitBTCの評判・口コミ
ここでは、投資家の方々によるHitBTCに対する感想や口コミをいくつかご紹介しておきます。
先ほどご紹介したHitBTCのメリット・デメリットと合わせて、HitBTCが自分のトレードスタイルに適した取引所であるのかを判断する際にご活用下さい。
投資家の方々の口コミ・感想
こんばんは!初めまして。
同じくICOからのホルダーです笑
残念ながらhitbtcで日本からの取引はできません!
このままBNKが他の取引所でも取り扱いされれば取引可能です。
海外に渡航して、hitbtcの口座を新規で開設したら、海外アクセスからなら取引できると思ってます。しないけど…— adaran (@adaranzo) April 16, 2021
hitBTCから日本在住者が締め出しされてから一気に単価も下がったような気もしますが、やはり爆上げの鍵は「JAPANマネー」「ノアホルダー」の力にかかってると思います。bittrexに上場希望出した時みたいな力をまた発揮してCROSSexchange上場させましょう #ノアコイン
— とち (@JnEZGCd2jzSLT56) January 18, 2019
$MINA
上場が決まった2つの取引所ですが、
Kraken日本人は使えませんw
HitBTCも登録は出来ますが、日本人は近々アクセス不可になるようです😂日本の皆さん、強制ガチホデス https://t.co/kpUCppgrjw
— はぴ (@happyvirus116) May 28, 2021
2024年5月現在、日本居住者がHitBTCを利用することは不可能となっていますが、草コインを保有している一部の投資家の方々は今後のHitBTCの動向を注視している様子が見て取れました。
公式Twitterアカウントの様子からもHitBTCが今後日本向けサービスの展開を目的としていることが分かるので、HitBTCの利用を検討されている方はサービス再開のお知らせに関する情報を見逃さないようにしましょう。
HitBTCのトレードスペック
HitBTCのトレードスペックについて、取引可能な通貨ペアや各種手数料・取引ツールといった点に注目しつつより詳しく見てみましょう。
- 取り扱い通貨・通貨ペア
- 取引手数料
- 入出金手数料
- 取引ツール
それでは、ひとつずつ解説していきましょう。
取り扱い可能な通貨数・通貨ペア
HitBTCでは、BTC(ビットコイン)・ETH(イーサリアム)・BCH(ビットコインキャッシュ)・LTC(ライトコイン)・XRP(リップル)等々、主要な仮想通貨を中心に380種類以上の仮想通貨を取り扱っています。
海外の大手仮想通貨取引所であるBinanceでさえ、取り扱い通貨数が350種類ほどである点を考えると、HitBTCは非常に多様な種類の仮想通貨を取り扱っていると言えます。
取引手数料
HitBTCにおける取引手数料は全銘柄共通でMaker(メイカー)手数料が−0.01%、Taker(テイカー)手数料が0.1%となっています。
手数料がマイナスとなるリベートシステムを採用している仮想通貨取引所は海外でも貴重な存在です。
入出金手数料
HitBTCにおける入出金手数料はそれぞれ次の表の通りです。
取扱銘柄 | 入金手数料 | 送金手数料 |
---|---|---|
BTC(ビットコイン) | 0.0006BTC | 0.001BTC |
ETH(イーサリアム) | 0.03ETH | 0.00958ETH |
BCH | 無料 | 0.0018BCH |
LTC | 無料 | 0.003LTC |
取引ツール
HitBTCでは取引ツールとして「TradingView」を採用しています。
TradingViewは仮想通貨や株・FXといったあらゆる金融商品のトレードで利用されている世界的取引ツールで、優れた取引スピードや有料オプションと組み合わせることで非常に幅広いカスタマイズが可能となる点が特徴です。
投資初心者から特殊なインジケーターを用いた分析を行いたい方まで、あらゆるトレーダーのニーズに応えてくれるおすすめの取引ツールだと言えます。
HitBTCの注意点
最後に、HitBTCを利用する際の注意点についてまとめておきます。
- ビットコイン・イーサリアムは入金手数料がかかる
- セキュリティ面に不安がある
- 日本語に対応していない
今後HitBTCの利用を検討されている方は思わぬリスクを抱えることにならない為にも、以下のポイントをしっかり把握しておきましょう。
ビットコイン・イーサリアムは入金手数料がかかる
トレードスペックの項目でもお伝えした通り、HitBTCではビットコイン・イーサリアムを入金(預金)する場合のみ入金手数料が発生します。
入金手数料はそれぞれ0.0006BTC、0.03ETHと割合的には少ないですが仮想通貨自体の値動きが激しい為、相場を気にせず入金を繰り返し行っていると思わぬ損失が生じかねません。
これら2種類の通貨をHitBTCで取引する際には1日あたりの入金手続き回数を減らすように心がけましょう。
セキュリティ面に不安がある
2016年のハッキング被害に代表されるように、HitBTCはセキュリティ面で不安を抱えています。
日本向けのサービス展開を再開する際にはこうしたセキュリティ面の改善がなされるのか、今後のHitBTCの動向に注目です。
日本語に対応していない
2024年5月現在、HitBTCは日本語対応のサービスを一切行っておりません。
しかしこちらについても日本居住者向けサービスの再開と共に改善される可能性が考えられるので、公式Twitterアカウント等による発表を見逃さないようにしましょう。
HitBTCの評判まとめ
海外仮想通貨取引所の1つであるHitBTCについて、おさらいとしてまとめると以下の通りです。
- 2013年設立の老舗取引所で取引高上位
- 380種類以上という取引銘柄の多さ
- 現物-0.01%~0.1%、取引手数料が安い
- バブル期に草コイン投資家間で人気だった
- セキュリティ面で不安がある
- 現在、日本からは利用できない
本記事では、日本居住者向けサービスを巡る現状や、HitBTCを利用する際のメリットとデメリット、トレードスペック、そして投資家の方々の間での口コミといった点を中心にご紹介しました。
HitBTCはレバレッジトレードには対応していませんが、豊富な取り扱い銘柄と手数料の安さを兼ね揃えたおすすめの仮想通貨取引所です。
HitBTCの利用を検討されている日本居住者の方は本記事でご紹介した内容を押さえた上で、今後HitBTCが日本向けにどういったサービス展開を行っていくのかに注目しましょう。
※HitBTCと同じく草コイン投資に強い取引所なら、「Bybit」や「MEXC」がおすすめです。