SEOの勉強をしている方や、被リンク活動を積極的にやっている方は、リンクジュースという言葉を目にしたことはありませんか?
リンクジュースはリンク元から発リンク先へ流れる「サイト評価」のことです。
リンクジュースを正しく理解し・活用すれば以下のようなことが可能になります。
- 被リンク施策の効果を高める
- 内部リンクをリンクジュースの観点から最適化できる
当記事では、リンクジュースの概念からリンクジュースが流れる仕組み、さらにはリンクジュースを意識した施策例もご紹介しています。
リンクジュースを学んでリンクの理解を深め、サイトを強くしていってくださいね。
また「そもそも被リンクって何…?」という方は下記記事も参考にすると良いでしょう。
参考:「被リンクとは何かを初心者向けに解説!初心者でもできる被リンク最適化の方法も紹介」
リンクジュースとは
リンクジュースとは、各ページに蓄積されているGoogleからの評価を指します。
リンクジュースは発リンクした際にリンク先へ受け渡され、その分リンクジュースを受け取ったページはGoogleからの評価が高くなるのです。
被リンクが多く、リンクジュースを受け取っている量が多いページは、評価が高まって順位が上がりやすくなります。
ちなみにリンクジュースの語源には以下の2つの説がささやかれているようです。
- リンクを通じてジュースが流れ出るようにサイト評価が受け渡されるから、その流れ出る評価のことをリンクジュースと呼ぶようになった。
- 「リンク(link)で得られる影響力(Juice)」からリンクジュースという言葉が生まれた
またリンクジュースは元々、PageRank・リンクポピュラリティと呼ばれる概念が基になって生みだされました。
リンクジュースを深く知るためには、このふたつの概念も学ぶ必要があります。以下の章で詳しく見ていきましょう。
ページランク・リンクポピュラリティとは
PageRank(ページランク)とは、サイトを被リンクの質×量で評価し、0~10の11段階でランク付けするアルゴリズムです。
PageRankでも利用されている被リンクの質と量でサイトを評価するという考え方を、”リンクポピュラリティ”と呼びます。
被リンクの質:リンク元と発リンク先の親和性。また、リンク元の権威性や専門性が高いと被リンクの質も高くなる。
被リンクの量:被リンクが何本あるか。その総量。
PageRankにおいて、リンク元との親和性やトピックにおける権威性の高いページからの被リンクが多いほど評価が高まるというわけです。
ちなみに、リンクポピュラリティやPageRankの評価制度をもっと細かく言うと、被リンクから得られる評価の総量によって評価を決定しています。
PageRank・リンクポピュラリティにおいて重要な”被リンクから得られる評価”に名前を付けた時、リンクジュースという言葉が生まれました。
リンクジュースが流れる仕組み
この章では、リンクジュース、つまりリンク元の評価がどう受け渡されるかをご紹介します。
補足として、サイト評価をどれだけ受け渡すかを決める”リーズナブルサーファーモデル”というアルゴリズムもあわせて見ていきましょう。
【図解】リンクジュースがどう受け渡されているか
リンクジュースは、外部サイトへの発リンク、または内部リンクによってリンク先へ受け渡されます。
受け渡されると言ってもリンク元が持つすべてのリンクジュースが流れるわけではなく、その一部がリンクを通じて”流れ出る”のです。
また、リンク本数が多いほどリンクジュースの流し先が多くなるので、その分各リンク先へ受け渡されるリンクジュースの量は減少します。
リンクジュースの受け渡し量を決めるリーズナブルサーファーモデル
前章では、発リンクによってリンクジュースの一部がリンク先に流れ出ると説明しました。
この流れ出るリンクジュースの量は、リーズナブルサーファーモデルというアルゴリズムで決められています。
リーズナブルサーファーモデル:リンク元と発リンク先の親和性、そのリンクのクリック率などにより、ユーザーにとって合理的なリンク先へより多くのリンクジュースを流す考え方。
以前はすべてのリンク先に同じ量のリンクジュースを流す「ランダムサーファーモデル」が採用されていましたが、より効果的なリンク先にリンクジュースを流せるリーズナブルサーファーモデルに変更されました。
リーズナブルサーファーモデルは、下記の項目をチェックしてリンクジュースの流す量を決めているそうです。
- リンクの位置
- リンクのクリックされる頻度
- リンクに対してユーザーの興味はどれくらいあるか
- リンクタイプ(テキスト/画像/カード)
- etc
引用:SEObytheSea
上記項目に基づいて効果的なリンクを設置すれば、意図的に特定の記事へ多くのリンクジュースを多く送ることができますね。
リンクジュースを渡さないようにする方法
ここでは、リンクジュースを流さない方法・対策を見ていきます。
①リンクにnofollow/sponsored/ugcを付ける
リンクジュースは対策を講じない限り、どのリンクからも流れ出てしまうものです。
流れる先が分散されて強化したい記事へ思うようにリンクジュースが流れないと、リンク施策が効果的に機能しません。
ですからリンクジュースの概念を使って記事を強化するには、リンクジュースを無駄に流さない工夫も必要です。以下の章でその対策を2点ご紹介しましょう。
①リンクにnofollow/sponsored/ugcを付ける
まずはリンクにnofollowやsponsored、ugcというリンク先に評価を渡さないというリンク属性を付けることです。
nofollow:「リンク先と当ページは無関係だ、リンク評価を流さないでほしい」といったメッセージをGoogleに送るためのリンク属性。リンク先のページが低品質であったりリンク元との関係性が低い場合に利用する。
sponsored:「これは広告リンク・アフィリエイトリンクであり、当ページと直接関連はない。そのためリンク先に評価を受け渡さないでほしい」というメッセージをGoogleへ送るためのリンク属性。前述の通り、アフィリエイトリンクなどに用いられる。
ugc:ユーザーの投稿内に掲載されているリンクに対して、リンク評価を流さないよう依頼するリンク属性。urcは「User Generated Content」の略称であり、主に口コミサイトや掲示板で使われる。
これらのリンク属性はあくまで「リンクジュース(評価)を流さないでほしい」というメッセージ・ヒントをGoogleに送っているだけです。
そのため、Googleの判断でリンクジュースが流れてしまうこともあります。
「リンクジュースを100%流さない方法」ではありませんのでご注意ください。
リンクにnofollow/sponsored/ugcを付ける方法
①まずはWPの編集画面で、上記リンク属性を付けたいリンクを特定。
href=”~~”のあとに、半角スペース+「rel=”nofollow”」「rel=”sponsored”」「rel=”ugc”」のいずれかを入力する。
これで、リンク属性の付与は完了です。
>>NofollowとDofollowの違いは?効果や注意点を徹底解説
②無駄な発リンクをしない
ふたつ目の対策法は、無駄な発リンクをしないことです。
発リンク先が増えるほどリンクジュースの流れる先が多くなり、結果的に1リンクに送られる評価が少なくなります。
発リンクはクローラビリティやユーザー動向の向上、情報の信頼性担保に役立ちますが、むやみやたらにリンクしすぎるのは控えましょう。
リンクジュースを意識した施策例
最後に、リンクジュースを意識した施策例をご紹介します。
ここでご紹介する施策は、内部リンク施策・被リンク施策のふたつに分けられます。
やみくもに内部リンクや被リンクを張るよりも、リンクジュースを意識した方が圧倒的に成果が出やすいです。ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。
内部リンクを最適化する
まずは内部リンクを最適化する方法をご紹介します。
具体的には以下の3つの施策がおすすめです。
①強化したい記事への内部リンクを増やす
②クリックされやすいようにリンクを設置する
③無駄なリンクを削る
ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。
1 強化したい記事への内部リンクを増やす
まずは、評価を高めたい記事への内部リンクを増やしましょう。
リンクの置き方にもよりますが、リンクジュースは内部リンクが集まる程多く溜まっていきます。
今力を入れたい記事があるなら、記事修正だけでなく内部リンクも使って強化していってくださいね。
2 クリックされやすいようにリンクを設置する
既存のリンク、または前章で増やしたリンクをもっとクリックされやすい形で設置しなおしましょう。
クリックされやすいリンクの特徴は以下のようなものです。
- 特定の情報に関する補足情報が載っているリンク・記事
- 文章との関連性が高く、自然に設置されているリンク
- ページ上部など、多くのユーザーが目にする場所に設置されたリンク
上記のような形で設置されたリンクはクリックされやすく、クリック率が高いと有益なリンクとしてGoogleに判断されやすいです。
ユーザーに必要なリンクだと判断されれば、リンクジュースも流れやすくなるでしょう。
リンクの最適化をするときは、「読者にとって有益か」「クリックしてくれるか」を意識してみてくださいね。
3 無駄なリンクを削る
必要なリンクを設置して既存リンクの最適化もできたら、最後に無駄なリンクを削りましょう。
明らかに関連性の低いリンクがあると、リンクジュースの流れる先が増えるとともに、ユーザビリティも低下させてしまいます。
記事品質の低下にも繋がりますから、無駄なリンクは削るのがおすすめです。
注意
リンクの削りすぎには注意してください。
記事に必要なリンクが無いと、逆に記事本体の品質が悪くなったり、サイト全体のクローラビリティが下がってしまいます。
強化したい記事への被リンクを増やす
もうひとつのリンクジュースを意識した施策例は、外部サイトからの被リンク数増強です。
リンクジュースを獲得するには、「内部リンクでサイト内のリンクジュースを集中させる方法」と「外部サイトからリンクジュースを流してもらう」方法がありますが、今回は後者になります。
ここで注意したいのは、ただ被リンクを受ければいいわけではないということです。
リーズナブルサーファーモデルが採用されている以上、むやみやたらに被リンクを受けていても、効率的に記事を強化することはできません。
被リンク施策の効果を最大限引き出すには、下記の要点を抑えた形でリンクを受けるのが理想的です。
・親和性・関係性の高い記事/サイトからの被リンクを受ける
:関係性の高い記事・サイトからはリンクジュースが流れやすい。
・拡散力の高い記事・サイトからの被リンクを受ける
:拡散後に大量の記事から被リンクを受けられる可能性がある。
・記事の流れに沿った、自然な形で被リンクを設置する
:クリック率の高いリンクはリンクジュースが流れやすい。
ただし、これらすべての要件を達成した被リンクを受けるのはかなり困難です。
まずは被リンクを増やす方法を解説した以下の記事を参考に、より多くの被リンク・リンクジュースの獲得を目指してみてくださいね。
参考:「 良質な被リンクを増やす方法4選!被リンクの効果と便利ツールも紹介」
リンクジュースまとめ
ここまでで、リンクジュースについて細かく解説してきました。改めて、当記事の内容をまとめてみましょう。
- リンクジュースとは、そのページが持つ評価
- 内部リンクや外部リンクなどあらゆるリンクによってリンク先に流れる
- rel=”nofollow”やrel=”sponsored”、rel=”ugc”を活用すれば、発リンク先にリンクジュースを送らないよう指令を出すこともできる
リンクジュースは、内部リンクや被リンクの評価を支える非常に大切な概念です。
リンクジュースをマスターできれば、1ランク上のリンク施策を立案できるようになるでしょう。
ただし、当記事でご紹介したリンクジュース・PageRank(ページランク)は記事を評価する一つの指標に過ぎません。
各記事でやるべきことは異なるので、状況を見てリンク関連以外の施策も立案・実行してみてくださいね。