この記事では、被リンク獲得方法の一つである「被リンク営業」について紹介します。
「営業」と聞くと、やや難しそうで取っ付きにくい印象があり、敬遠してしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし被リンク営業は、Googleの評価基準として極めて重視されている「E-A-T(専門性・権威性・信頼性)」を得るためには最も有効な手段といえるでしょう。
また、被リンク営業は然るべき手順を踏めば誰にでも実行可能なため、様々な企業においてその専門部署が作られるなど重視され始めました。
そこで当記事では、そんな被リンク営業について以下の内容をメインに紹介していきます。
- 被リンク営業とは?
- 被リンク営業は被リンク獲得のために有効なのか?
- 被リンク営業のおすすめ手法 3選
- 被リンク営業の手順
この記事を一読いただければ、被リンク営業こそが最も有効な被リンク獲得方法であり、かつ決して難しい手法ではないことがご理解いただけるでしょう。
また営業以外での被リンク獲得方法については下記記事内で紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
参考:「良質な被リンクを増やす方法4選!被リンクの効果と便利ツールも紹介」
また被リンクについての理解に不安がある方は下記記事もさらっておくことをおすすめします。
参考:「被リンクとは何かを初心者向けに解説!初心者でもできる被リンク最適化の方法も紹介」
被リンク営業とは?
被リンクを獲得するには、大きく分けて以下二つの方法があります。
- 魅力的なコンテンツを作り被リンクされるのを待つ
- 他サイトに被リンクを依頼する
被リンク営業とは、上記の②に該当する方法と考えていただいて差し支えありません。
つまり被リンク営業とは、自サイトへ発リンクしてもらうよう積極的に他サイトへ依頼をかけていく行為を指します。
もちろん、ただ依頼するだけではどのサイトも発リンクはしてくれません。
こちらから他サイトにとってのメリットになるような提案を考えて、提示していくことが大切です。
例えば、他サイトに関する内容を紹介する記事を作成して自サイトに掲載すれば、他サイトにとっては露出の機会が増えますのでメリットの一つになるでしょう。
現在、多くの企業ではこの被リンク営業に非常に力を入れているのですが、それはなぜなのか。
その理由を、次章で見ていきましょう。
被リンク営業は被リンク獲得方法としてなぜ有効なのか?
被リンク獲得方法として、被リンク営業が非常に有効な手段である理由は以下4つです。
- コンテンツの質以前に被リンクの質が評価されつつある
- 上位表示されるまでサイトの存在に気づかれない
- E-A-T(専門性・権威性・信頼性)の獲得は自然体ではできない
- 被リンク営業はGoogleも推奨する被リンク獲得方法
では、それぞれ紹介していきますね。
コンテンツの質以前に被リンクの質が評価されつつある
被リンクを獲得するために大切なこととしてよく言われているのは、ユーザー目線に立った高品質な記事を書く、ということではないでしょうか。
確かにGoogleのガイドラインにもあるとおり、ユーザーにとって有益と判断される記事をGoogleが評価していることは事実でしょう。
ですがSEOの世界では、ユーザービリティを徹底追及して心血注いで書いた記事がそれほど評価されなかったり、逆にそこそこの出来でしかなかったはずの記事が高評価となることもあります。
実際に検索してみても、高品質と思われる記事より上位に位置している並の記事を見かけることも珍しくありません。
つまりGoogleの評価基準は、記事の品質以前に、まず良質な被リンクがどれほどついているサイトなのかを優先的に評価している傾向になってきているといえるでしょう。
したがって、SEOで評価されるためには、まず被リンク獲得に力を入れることが先決といえますね。
上位表示されるまでサイトの存在に気づかれない
自然に被リンクされるには、自サイトのコンテンツが多くの人々の目に触れなければなりません。
そのためには自サイトがまずGoogleに評価され、検索上位に位置する必要があります。
ご承知の通り、Googleに評価されるための基準の一つに訪問者の数、つまり沢山のページビューやセッションが付いているかという指標もありますよね。
ですが、前述のとおりそもそも検索上位に位置しなければ自サイトが目立たないわけですから、訪問者の数も稼げません。
自サイトを第三者に見てもらうためには、ひたすらコンテンツ作成に磨きをかけることよりも先に、第三者へ営業をかけることで自サイトの存在を知らせることが大切です。
つまり検索上位を狙うためには、まず被リンク営業を行うことが最も手っ取り早い方法といえるでしょう。
E-A-T(専門性・権威性・信頼性)の獲得は自然体ではできない
Googleに評価されるために被リンク獲得が重要であることは、十分ご理解いただけたかと思います。
ですが、Googleはどのような被リンクでも評価するわけではありません。
Googleが評価する被リンクとは、自サイトのテーマに関するE-A-T(専門性・権威性・信頼性)を備えたサイトからの被リンクです。
どこの誰が書いたか分からない記事より、その道に詳しく、その道の権威であり、実在がはっきりしている人の所有サイトから認められた記事の方が安心して読めますよね。
しかし、まだ上位表示さえもしていない自サイトにE-A-Tを備えたサイトから被リンクをもらうためには、いくらコンテンツをひたすら充実させたところで見向きもしてもらえません。
E-A-Tを備えたサイトから被リンクをもらうには、やはり被リンク営業を行い、サイト所有者と直接話したり商談の場を設けることが最短距離と言えるでしょう。
被リンク営業はGoogleも推奨する被リンク獲得方法
被リンク営業は、GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー) 氏も推奨している被リンク獲得方法で、ミュラー氏はTwitter上で以下のように発言しています。
つまり、被リンク営業(デジタルPR)はGoogleガイドラインに違反するようなリンク獲得方法ではなく、逆にむしろ最も理想的なSEO施策であると述べています。
これを受けて昨今では、被リンク営業は世界的に最も注力されつつある被リンク獲得方法となってきました。
被リンクは、自サイトのコンテンツを良いと思ってもらって初めて獲得できるものです。
被リンク営業は自サイトの良さを積極的に伝えていく活動ですから、正に自然な被リンク獲得方法と言えるでしょう。
Googleも推奨する理由が納得できますね。
以上、被リンク営業が被リンク獲得方法として有効な理由を紹介させていただきました。
ただ一口に被リンク営業といっても、具体的にはどのような手法で行うものなのでしょうか。
次章でいくつか紹介していきますので、続けてご覧ください。
被リンク営業のおすすめ手法3選
この章では、被リンク営業のおすすめ手法として以下の3つを紹介していきます。
- 権威ある人に自社記事の監修を依頼する
- 自治体の企業・地域紹介記事を作って寄稿する
- 大企業の商品・サービス紹介記事を作る
では一つ一つ見ていきましょう。
権威ある人に自社記事の監修を依頼する
権威ある人に自サイトの記事の監修者になってもらうというのは、おすすめの被リンク営業手法です。
権威ある人にアプローチするという点では先程のインタビュー記事の作成と同様ですが、監修者として依頼する場合は記事の作成は行いません。
権威ある人に自サイトの記事の内容に間違いがないかをチェックしてもらい、チェックしてくれた人を監修者として自サイト内で紹介させていただくという流れになります。
依頼を受ける側にとって監修者となることは実績の一つとなりますから、先方のサイトに監修記事の紹介リンクを貼っていただけることが期待できるでしょう。
また、自サイトでも監修者の紹介を行うわけですから、監修者側にとっては露出の機会が増えると同時にサイトへのアクセスアップも見込めますよね。
自サイトの既存記事も、監修者を記載することで権威ある方のお墨付きとなります。
つまり監修者を記載すれば、Googleから高評価が得られることはもちろん、ユーザーからも信頼されて熟読してもらえる可能性が高まるため、まさに一石二鳥と言えるでしょう。
自治体の企業・地域紹介記事を作って寄稿する
自治体を始めとした行政関連サイトから被リンクされることもSEO効果が非常に高いため、こうしたサイトへ被リンク営業を行うこともおすすめです。
その具体的な被リンク獲得方法とは、自治体サイトへ記事の寄稿、つまり掲載依頼を行うというもの。
自治体のサイトでは地元企業や地域のPRを行っていますが、記事作成のためには取材などの費用がかかります。
そこで、その地元企業や地域に関する情報をリサーチして作成した記事を無料で提供すれば大いに喜ばれるでしょう。
そして記事掲載の際には、執筆者を紹介するためのリンクを貼ってくれるはずです。
特に地元の特集ページを設けている自治体サイトへは、積極的に問い合わせてみると良いでしょう。
大企業の商品・サービス紹介記事を作る
大企業のサイトも権威ある存在としてGoogleから認められていますので、被リンク営業先として見逃せません。
具体的には、大企業が取り扱う商品やサービスの商標記事を先に作成して公開します。
私たちが商品・サービスを購入する決め手とするのは多くの場合、宣伝元による直接的な売り込みではなく、実際に使用してみた消費者からの意見ではないでしょうか。
つまり企業にとって、自社の商品・サービスを消費者の立場でPRしてくれる記事というのは、とてもありがたい存在なのです。
したがって、紹介記事を作成して公開したことを企業へ伝えれば、被リンクを依頼することは決して難しい提案ではないでしょう。
自サイトの分野に関連する商品・サービスを展開している大企業へは、どんどんアプローチしてみてください。
以上、被リンク営業のおすすめ手法を3つ紹介させていただきました。
ご覧いただいたとおり被リンク営業には様々な手法がありますが、どの手法を選んだとしても基本的な手順は共通しています。
そこで次章では、被リンク営業の詳しい流れを見ていきましょう。
被リンク営業の手順
被リンク営業の手順の概略は以下のとおりです。
- 良質なコンテンツを作る
- 営業先リストを作る
- 営業を開始する
- 商談・交渉を行う
- 記事を作成する
- 被リンクされたことを確認する
では上から順に紹介していきますね。
被リンク営業手順①:良質なコンテンツを作る
まずは自サイト内に、先方から見て魅力的と思われるようなコンテンツを充実させましょう。
なぜなら、自サイトが先方にとって掲載してもらいたいと思われるような内容でなければ、提案を受けてもらうことはできないからです。
一般的に、良質なコンテンツのポイントとは以下の三つ。
- 独自情報を盛り込む
- 根拠を明確にする
- リスト・表・図を多用して分かりやすくする
それぞれ解説していきますね。
独自情報を盛り込む
他サイトにはない独自情報を載せると、サイト自体に価値を感じてもらいやすくなります。
例えば地域の紹介記事であれば、実際に行ってみたりご当地グルメを食べてみた感想などは、まさにあなた自身の独自情報と言えるでしょう。
根拠を明確にする
あらゆる情報は、その根拠となる情報源を明確にすることで説得力が増します。
例えばスポーツのトレーニング法に関する記事であれば、紹介されているトレーニング法は本当に効果があるのか、逆に身体に害がないのかなど不安になりますよね。
ですが、その情報元が著名なスポーツ指導者や整形外科医など権威者の記事の引用であることが明記されていれば、信頼感も増します。
読み手が安心できる記事にするためにも、情報の引用元は必ず記載しましょう。
リスト・表・図を多用して分かりやすくする
文章だけで構成された記事よりも、リストのような箇条書きや表、図などを多用した記事の方が視覚的に分かりやすいですよね。
また、昨今では動画を載せた記事も多く見られます。
文章以外の表現ができる箇所では、どう記載したら直感的に理解してもらいやすいのかを徹底的に工夫していきましょう。
被リンク営業手順②:営業先リストを作る
次に行うのは営業先リストの作成ですが、ここで重要なのは以下の2つ。
- ライバルサイトの被リンクを調べる
- ドメインパワーの高いサイトを選定する
それぞれ解説しますね。
ライバルサイトの被リンクを調べる
まず、狙いたいワードで検索して出てくる上位サイトの被リンクを調査しましょう。
というのも、ライバルサイトが獲得している被リンクというのは自サイトとも関連性が高い確率が高いので、被リンク獲得しやすいと考えられるからです。
被リンクの調査は、Ahrefsなどのツールで行うことができますよ。
ライバルサイトの被リンク調査方法について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>良質な被リンクを増やす方法4選!被リンクの効果と便利ツールも紹介
ドメインパワーの高いサイトを選定する
ライバルサイトの被リンクが調査できたら、その中からできるだけドメインパワーの高いサイトをピックアップしましょう。
ドメインパワーとは、そのサイトのドメイン自体が持つGoogleからの評価指標のことです。
ただGoogleは、各サイトのドメインパワーをどのように計測しているのかを公開していません。
ですが、Ahrefsなどのツールを使えば、各サイトのドメインパワーをDRという指標で計測することができますよ。
被リンク営業手順③:営業を開始する
営業先が決まったら、営業を開始しましょう。
主な営業方法は以下の3つです。
- メールで営業
- 電話で営業
- 問い合わせフォームから営業
一つ一つ具体的に見てみましょう。
メールで営業
被リンクに関する提案要件を文章にまとめて、メールで営業先へアプローチします。
メールでのやりとりは、先方の都合を気にする必要がなく、かつ先方からの予期しない質問にもじっくり考えて回答できることがメリットと言えるでしょう。
ただし、送ったメールが必ず先方の目に留まっているとは限らず、迷惑メールフォルダに振り分けられているということもあります。
営業メールを送信してから2日以内に返答がない場合、先方に電話をかけてメールを受信しているか確認するなどして工夫しましょう。
また、先方の目に留まっても定型文のような文章では興味を惹くことができず、読んでもらうことは難しいでしょう。
せっかくメールを送るからには、多少手間がかかっても、営業先それぞれに合わせた文章をじっくり考えて送ることをおすすめします。
電話で営業
被リンクに関する提案要件を、先方へ電話をかけて伝える方法です。
電話を使えば先方と直接会話できますので、メールのように目に留めてもらえないというようなリスクはありません。
ですが、先方が不在であれば電話はつながりませんので、その場合は時間を変えて何度もかけなければならない点はやや手間と言えるでしょう。
加えて、先方から予期しない質問が飛んでくる可能性もありますので、事前に想定される質問に対する回答の準備はもちろん、臨機応変に回答できるよう提案要件を深く理解してくことが大切です。
問い合わせフォームから営業
営業先サイトにメールアドレスや電話番号の記載がない場合は、問い合わせフォームから営業をかけることになるでしょう。
文面で送るという点では、そのメリットやデメリットはメールでの営業と変わりません。
ただし、サイトによっては送信した文面が戻ってこないこともありますので、送信前に文面を保存しておくことをおすすめします。
被リンク営業手順④:商談・交渉を行う
提案に対して興味を示してくれたサイトがあれば、次は交渉・商談の場を設けます。
先方のメリットをいかに伝えるかが最大のポイントですので、話の流れを入念に準備しておきましょう。
もちろん、被リンクの依頼は必ず行ってください。
被リンク営業手順⑤:記事を作成する
交渉・商談が成立したら、記事の作成に取り掛かります。
被リンクしてもらうことが確約できても、充実した記事を作成することができなければ、最終的には先方に交渉を断られてしまうかもしれません。
どのような記事を書くにしても、最大限に高いクオリティで完成させるようにしましょう。
被リンク営業手順⑥:被リンクされたことを確認する
執筆した記事を公開して先方からリンクを貼ったとの連絡をもらったら、先方のサイトへアクセスし、自サイトへのリンクがしっかり貼られていることを確認します。
先方のサイトに文言だけ載っていても、自サイトへのリンクが貼られていなければ被リンク効果はゼロですので、リンクの確認は必ず行いましょう。
以上、被リンク営業の手順を紹介させていただきました。
それでは最後にまとめます。
まとめ
被リンク営業は、昨今最も注目されている被リンク獲得方法です。
その理由は以下の4つでしたね。
- コンテンツの質以前に被リンクの質が評価されつつある
- 上位表示されるまでサイトの存在に気づかれない
- E-A-T(専門性・権威性・信頼性)の獲得は自然体ではできない
- 被リンク営業はGoogleも推奨する被リンク獲得方法
営業と聞くと敬遠される方も多いかと思います。
確かに、先方にアプローチするための文面を考えたり、交渉・商談などの機会を設けることは手間かもしれません。
ですが、どんなにコンテンツを質高く磨いても、E-A-T(専門性・権威性・信頼性)を備えたサイトから被リンクを受けているライバルには、なかなか勝てないのが今のSEOです。
また、ご覧いただいたとおり相手のメリットをじっくり考え、それをしっかり先方に伝えることができれば、特別な話術などなくても被リンク営業は難しくはありません。
競争が激化してきたSEOの世界で圧倒的優位に立つためには、被リンク営業への取り組みは大きな鍵の一つと言えるでしょう。
(執筆・編集/佐藤 直人)