この記事では、FXにおいてマーチンゲール法を活用できるかを徹底検証します。
マーチンゲール法とは、負けたら2倍掛けていき、連敗してもひたすら倍プッシュを続ける手法のこと。
「理論上」は絶対に負けることのない必勝法として知られています。
しかし、マーチンゲール法はあくまで資金が無限にあることを前提とした、理論上の必勝法。
結論から言えば、マーチンゲール法を実際のFX手法として使うことは、資金管理面など様々な理由からあまりオススメはできません。
とはいえ、マーチンゲール法の中にはFX取引に活用できる知識もあるので、マーチンゲール法の考え方を知っておくとFX取引でも役立つでしょう。
今回は、マーチンゲール法のメリット・デメリット、FXで活用できるかの考察、マーチンゲール法を活用したFXのオススメ手法(両建て・ナンピン)などを徹底検証。
FXにおけるマーチンゲール法がすべてわかる記事となっているので、ぜひご参考ください。
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そもそもマーチンゲール法とは
まず、マーチンゲール法の概要について解説していきます。
- 取引で負けた時に掛け金をどんどん2倍にしていく手法
- 取引に勝てばマーチンゲール法はリセットされる
- 理論上は絶対に負けないため簡単な必勝法として知られている
- 掛け金のわりに実際のリターン・利益はそれほど多くないのも特徴
では、マーチンゲール法とは何なのかを見ていきましょう。
取引で負けた時に掛け金をどんどん2倍にしていく手法
マーチンゲール法は、取引で負けた時に掛け金を2倍ずつ増やしていく手法です。
マーチンゲール法を使ってFX取引すると、負けたら2倍、次も負けたら4倍、それでも負けたら8倍といった具合に、連敗すると2倍ずつ掛け金が増加します。
1勝さえすれば、それまでの負け分をすべて取り返して勝てる点がマーチンゲール法のメリット。
FXに限らず、株やバイナリー、カジノ、競馬など確率統計の絡む、あらゆる投資・ギャンブルにおいてマーチンゲール法は使われています。
取引に勝てばマーチンゲール法はリセットされる
マーチンゲール法を使った場合、取引に勝った時点で倍プッシュは終了。
もし連敗して掛け金が高くなっていても、1勝して利益が出た時点で掛け金は最初からリセットされます。
マーチンゲール法は、勝つまでが1セットと考えてください。
理論上は絶対に負けないため簡単な必勝法として知られている
マーチンゲール法は、負けを認めず勝てるまで倍プッシュを続ける手法。
資金さえ続けば絶対に勝てるため、理論上は必勝法と言われています。
FXや株、競馬、カジノなどでは、いずれは勝てるという点を突いて、マーチンゲール法が投資手法の1つとして使われているのです(マーチンゲール法の勝率の前提は50%)。
マーチンゲール法は、資金が無限にあれば100%勝てる必勝法といえるでしょう。
しかし、現実的に資金は有限であり、マーチンゲール法によって1勝する前に資金が底尽きて破綻するケースが多いのです。
掛け金のわりに実際のリターン・利益はそれほど多くないのも特徴
マーチンゲール法は、掛け金のわりに実際のリターン・利益はそれほど多くないのも特徴。
例えば、FX取引で1回目に1万円の利益確定・損切りをするという設定で、マーチンゲール法を使ったとしましょう。
運わるく4連敗して5回目にようやく勝てたとした場合、下表のような計算シミュレーションとなります。
マーチンゲール法 | 掛け金 | 勝敗 | 合計収支 |
---|---|---|---|
1回目 | 1万円 | 負け | -1万円 |
2回目 | 2万円 | 負け | -3万円 |
3回目 | 4万円 | 負け | -7万円 |
4回目 | 8万円 | 負け | -15万円 |
5回目 | 16万円 | 勝ち | +1万円 |
4連敗した時点ですでに15万円の損失。
5回目に16万円を投入して1勝できたとしても、利益は1万円のみ。つまり1回目の掛け金分だけです。
しかも5回目で勝てる保証はどこにもなく、正常なメンタルを保つことすら困難になっているでしょう。
マーチンゲール法は理論上では勝てる手法であっても、資金・メンタルが破綻する可能性の高い手法と言えそうです。
マーチンゲール法のメリット
理論上の必勝法とは言え、マーチンゲール法にはメリットもあります。
- 手順・理論が極めてシンプルなので誰でも実行しやすい
- 1回でも当たれば利益が狙える
- 最後まで負け続ける確率は低い
ここでは、マーチンゲール法のメリットについて検証してみましょう。
手順・理論が極めてシンプルなので誰でも実行しやすい
マーチンゲール法は「負けても倍プッシュを続ければいずれ勝てる」という手法なので、手順・理論が極めてシンプル。
誰でも実行しやすい点がマーチンゲール法のメリットです。
難しい投資分析は不要、単純に資金管理術だけによる投資方法なので、FXや株、競馬などの分析をしなくても実行できるのがマーチンゲール法。
このシンプルさゆえに、マーチンゲール法は意外と人気のある投資手法の1つとなっています。
1回でも当たれば利益が狙える
マーチンゲール法は1回でも当たれば、必ず利益が出て勝てる手法です。
大きな連敗をして掛け金が膨らんでいたとしても、1回勝てば負け分をすべて取り返し、1回目の掛け金分の利益を得られて、また最初の掛け金にリセットできます。
1回でも勝てると確実に利益が出せる点は、マーチンゲール法のメリットといえるでしょう。
1回勝てたときの安堵感や達成感を味わえる点も、マーチンゲール法の魅力・メリットと感じる人もいるようです。
最後まで負け続ける確率は低い
マーチンゲール法は勝率50%が前提となっており、最後まで負け続ける確率が低いので、短期的には勝てるケースが多い点もメリット。
マーチンゲール法は大型連敗さえしなければ確実に勝てる手法であり、短期的には勝てる可能性が高いのです。
例えば、勝率50%とした場合の、連敗発生確率とマーチンゲール法による投資倍率を検証してみましょう。
連敗数 | 発生確率 | マーチンゲール法 次の投資倍率 |
---|---|---|
1敗 | 50% | 2倍 |
2連敗 | 25% | 4倍 |
3連敗 | 12.50% | 8倍 |
4連敗 | 6.25% | 16倍 |
5連敗 | 3.13% | 32倍 |
6連敗 | 1.56% | 64倍 |
7連敗 | 0.78% | 128倍 |
8連敗 | 0.39% | 256倍 |
9連敗 | 0.2% | 512倍 |
10連敗 | 0.1% | 1024倍 |
10連敗する確率は0.1%、つまり1000回に1回程度。
よほど運がわるくない限り、遭遇する確率は低いですが、仮に10連敗すれば1回目の1024倍の掛け金が必要です。
いずれ勝てるとは言え、1回目の1024倍の資金を投じることは実際にはほぼ不可能。
現実的に資金が破綻しないレベルで考えると7〜8連敗が限界でしょう。
7連敗の確率は0.78%なので、100回に1回弱の確率でいずれは遭遇する計算。
7連敗した場合の投資倍率は128倍ですから、資金管理をしっかりして1回目の掛け金を抑えておかない限り破綻が濃厚。
とは言え確率論から見ると、マーチンゲール法で投資すれば、ほとんどの場合は6連敗以内では止まることが想定されるため、短期的には勝てる確率は高いでしょう。
マーチンゲール法のリスク・デメリット
続いて、マーチンゲール法のリスク・デメリットをお伝えします。
- 失敗したときのリスクがあまりに高すぎる
- 意外と利益・リターンが少なくリスクに見合わない
- 実際にやろうとすると理論が破綻することも多い
では、マーチンゲール法のリスク・デメリットについて確認していきましょう。
失敗したときのリスクがあまりに高すぎる
マーチンゲール法の最大のデメリットは、失敗したときのリスクがあまりに高すぎるという点です。
たしかにマーチンゲール法は、勝てるまで倍の掛け金を続けるので、理論上は必ず勝てる手法。
大抵の場合は連敗が膨らむ前に勝てるので、マーチンゲール法は必勝法だと考える人もいるぐらいです。
しかし、「わずかな確率で発生する大型連敗」はいつか必ず訪れます。
7連敗時点で1回目の128倍、10連敗で1024倍の資金が必要。
FX取引で最初の1回目に1万円投入していたとすれば、7連敗で128万円、10連敗で1024万円の資金を掛けることになり、あまりに非現実的。
マーチンゲール法はメリットでお伝えしたように、負ける確率は低く、大抵の場合は勝てる手法です。
しかし、大型連敗になった時のリスクが大きすぎる点が最大のデメリット。
7〜8連敗以上すれば資金管理は崩壊し、もはや取り返しのつかない状態に陥ります。
意外と利益・リターンが少なくリスクに見合わない
マーチンゲール法は、リスクの割に意外と利益が少ないので、ハイリスク・ローリターン手法である点もデメリットとなります。
大型連敗して掛け金を大きくしても、利益は結局1回目の掛け金のみ。
FXで1万円からマーチンゲール法で取引した倍、10連敗して1024万円投入してようやく勝てたとしても、それまでに1023万円の損失があるので利益は1万円だけです。
FXで1000万円の資金があるなら、マーチンゲール法でリスクを冒さなくても、もっと効率的に楽に稼げる手法、ローリスク・ローリターン手法はいくらでもあります。
リスクの大きさに対して利益が見合わないので、マーチンゲール法はFX投資手法としてはあまり向いていないといえるでしょう。
実際にやろうとすると理論が破綻することも多い
マーチンゲール法を実際にやろうとしても、実現できずに理論が破綻することが多い点もデメリット。
マーチンゲール法では、6連敗以上もすれば投資資金が爆発的に増加します。
例えば、FXで1回目に1ロット投入していれば、10連敗時点で1024ロットが必要。
しかし、FX取引では最大ロット数が決まっているので、上限ロット数の制限に引っかかる可能性が高くなります。
仮に資金が持ちこたえたとしても、FX業者側の仕様上の問題によって、倍プッシュができないわけです。
実現できなければ、資金があってもマーチンゲール法は机上の空論。残るのは巨額の損失のみとなります。
マーチンゲール法はFXに活用できるのか?
では、マーチンゲール法はFXには活用できないのでしょうか。
- 結論:FX手法としては微妙だが投資知識の勉強にはなる
- メリット・デメリットはそのまま活用できる
- 勝率はやや下がるため条件が厳しい
- 利確・損切りのpips設定が必要になる
- やはり現実的に難しい場面が多い
ここからは、マーチンゲール法を活用したFX手法について考察していきます。
結論:FX手法としては微妙だが投資知識の勉強にはなる
結論から言えば、マーチンゲール法をFX手法で活用できるかは非常に微妙。
リスクを抑えた資金管理によって守りを固めることが、FX投資の基本戦略となります。
その点、マーチンゲール法は真逆の性質を持っており、資金管理を徹底した長期的なFX投資には不向きです。
FX手法としてマーチンゲール法は、リスクの大きさからオススメはしません。
ただし、FX取引するうえでマーチンゲール法の「考え方」や「資金管理の考察過程」などは知っておいて損はないです。
FX手法として直接的にマーチンゲール法を使わなくても、マーチンゲール法を知ることで、FXの資金管理の重要性に気付くことができるでしょう。
考察①やることはFXでも同じなのでメリット・デメリットはそのまま活用できる
FX手法でマーチンゲール法を使う場合も、負けたら倍の掛け金で勝てるまでFX取引を続けます。
FXにおけるマーチンゲール法のメリット・デメリットも、一般的なマーチンゲール法と同じ。
FX手法におけるマーチンゲール法のメリットは、FXの知識ゼロでも手軽に実行できる点が挙げられます。
FXのテクニカル分析は一切しなくても、適当に買い・売りエントリーして、勝てるまでロット数を倍にしていけばマーチンゲール手法は完成。
マーチンゲール法は、FX初心者でも手軽に使えて、1回でも勝てると確実に利益が出る点もメリット。
また、マーチンゲール法は大型連敗さえしなければ必ず勝てるFX手法です。
マーチンゲール法は成功する確率が高い手法のため、短期的にFXで稼ぎたい人にはメリットとなるかもしれませんね。
しかし、FXにおけるマーチンゲール法は、デメリットの方が多いのが実情。
勝てる確率は高いものの、たまに遭遇する連敗によって、掛け金が上がってFX資金がどんどんなくなり、大きなリスクを抱える点が最大のデメリットです。
FXでは連敗しても次に勝てる保証はなく、資金だけでなくメンタルが破綻するリスクも。
さらに、マーチンゲール法ではリスクが大きい割に利益が小さいというデメリットもあります。
勝っても利益は1回目の掛け金だけ。もし1回目の掛け金を大きくすると利益は大きくなるものの、連敗した時にFX資金が耐えられなくなるでしょう。
また、マーチンゲール法は理論上では必ず勝てるFX手法ですが、実際のFX取引ではロット数の上限があり、途中で倍プッシュを実行できなくなる、というデメリットも。
FXを長期的な投資として見るならば、マーチンゲール法は破綻リスクが高くデメリットが多いため、資金管理面からもオススメはできません。
考察②FXのスプレッドを考慮すると勝率はやや下がるため条件が厳しい
マーチンゲール法を使ったFX手法には「スプレッド」もデメリットとなります。
FXにはスプレッドがあるため、例えば、10pips勝てる確率は厳密には50%を少し下回るのです。
FXのスプレッドが1pipsだとしたら、10pipsの利益のためには11pips獲得しなければならず、「勝ち11pips、負け10pips」となるので実質的な勝率は約48%。
マーチンゲール法は勝率50%の取引でこそ有効です。
FXの場合は勝率50%を若干下回るので、勝率50%を前提としたマーチンゲール法においては、FX取引前の段階ですでに不利な状況。
マーチンゲールをFX手法として使う際は、勝率の条件面で厳しいことを認識しておく必要があります。
考察③利確・損切りのpips設定が必要になる
マーチンゲール法を使ったFX手法では、利確・損切りのpips設定が必須。
マーチンゲール法では「勝ち・負け」の定義を明確にしなければならないので、利確・損切りをFX取引前に設定しておく必要があります。
FX手法として厳格にマーチンゲール法を使うならば、1回の取引分だけでなく、2連敗・3連敗した先の予約注文(指値・逆指値)を入れておいたほうが良いでしょう。
マーチンゲール法は感情面で動揺しやすいFX手法なので、予約注文をいれた後はFX画面を見ない方が良いかもしれません。
考察④FXで実践しようとするとやはり現実的に難しい場面が多いか
マーチンゲール法はFX手法として使うとなると、現実的には難しい場面が多いと考えられます。
そんなマーチンゲール法がFX手法には不向きである点は以下のとおり。
- 連敗するとFX投資金額が膨らんで大きなリスクを抱える
- リスクの割に利益が小さい
- ポジション量・最大ロット制限・ロスカット水準などFX業者の取引仕様を考慮する必要がある
- 大型連敗時のメンタル的動揺
- FXのスプレッドによる勝率ダウン
マーチンゲール法をFX手法として実践するのは、資金管理に鑑みても現実的とは言えません。
もっとリスクの低い効率的なFX手法や資金管理方法は多くあるので、無理にマーチンゲール法を使ってリスクを冒す必要はないでしょう。
とはいえ、FX手法としてのマーチンゲール法は微妙なものの、投資知識としては知っておいて損はないといえます。
マーチンゲール法を通して、投資で最も重要な「資金管理」を考察できるので、その点ではマーチンゲール法の知識がFXなどの投資で役立つこともありますよ。
マーチンゲール法を活用したFXのオススメ手法
ここからは、マーチンゲール法を活用したFXのオススメ手法を解説します。
マーチンゲール法はFX手法として積極的にはオススメしないものの、正しい資金管理をすれば、両建てやナンピンで利益を狙える手法もあるのでご参考までに。
ここでは便宜上、1ロットの買いを「1L(ロング)」、売りを「1S(ショート)」と記載しています。
マーチンゲール法×ナンピン手法
「マーチンゲール法×ナンピン」は、自動売買でも多用されているFX手法です。
最初に買いで入って負けても、ずっと倍の掛け金で買い続ける手法で、レンジ相場に強いのが特徴。
FX相場はトレンド相場でも押し目・戻り目を作ることが多いため、マーチンゲール・ナンピン手法は大半のケースでは勝てる手法となります。
ただし、上の画像のように押し目を作らない強いトレンドに遭遇したときに大敗するため、マーチンゲール・ナンピン手法はリスク高め。
マーチンゲールとナンピンは、しっかり資金管理しなければ破綻するリスクがあるので、冷静に資金管理できる人にしかオススメはできないかもしれません。
マーチンゲール・ナンピン手法を成功させるための資金管理とは、事前にマーチンゲール回数、ナンピン回数の制限を設定しておくことを指します。
例えば、マーチンゲール法を使うのは3回まで、ナンピンは4回までといった感じですね。
無作為なFX取引で4連敗する確率は約6%。つまり94%は4回以内のマーチンゲール・ナンピン手法で勝てるわけですが、連勝しても欲張らないことが重要。
自らを律してルールを徹底し、たまに訪れる連敗を淡々と受け入れて、マーチンゲール・ナンピンの制限回数に達したら最初からリセットするのです。
また、マーチンゲール・ナンピン手法はレンジ相場(もしくは弱いトレンド相場)で勝てる手法なので、レンジになりやすい時間帯だけを狙う手法がオススメ。
日本時間の0〜8時、10〜15時、19〜21時はトレンドが発生しにくく、利確や牽制によってレンジ相場になりやすい特徴があります(あくまで傾向)。
上記の時間帯だけマーチンゲール・ナンピン手法を使うと、勝率アップを狙えるでしょう。
マーチンゲール法×両建て手法
「マーチンゲール×両建て手法」は、レンジ相場中は同ロット数で両建てして様子見し、レンジブレイクした地点から段階的に片方を決済していく手法です。
レンジブレイクして下がり始めたら、買いポジションを減らしていきますが、すべて決済して両建てを解消するのはリスクがあるので、徐々に両建てを崩す点がポイント。
両建てはトレンドに乗ることを狙った手法のため、買い決済しつつ売りを倍に増やすマーチンゲール法を組み合わせると爆発的利益も狙えます。
両建てのデメリットは、リスクが少ない代わりに利益も出にくい点。
しかし、両建てにマーチンゲール法を加えることで、一気にトレンド相場での大きな利益を狙えるため、両建てのデメリットをカバーできます。
レンジブレイクの見極め(両建て解消のタイミング)が肝となるので、FX経験値が必要な手法かも。
マーチンゲール法×逆ナンピン×両建て手法
「マーチンゲール法×逆ナンピン×両建て」というFX手法もあります。
上図をご覧ください。
まず1L投入して、無事に10pips上がれば利確。
運わるく下がった場合は、ナンピンではなく逆ナンピンかつ「直前の投入ロット数の倍」の売り(2S)で両建てする手法となります。
1回目で負けた場合、逆ナンピン手法で2S投入して、1Lと2Sの両建て状態に。
これはFXのトレンド相場を想定した両建て手法。逆ナンピンによってトレンドに乗ることが狙いです。
マーチンゲール2回目で成功する確率は25%、3回目なら12.5%。
つまり87.5%の勝率でマーチンゲール3回以内に勝てる逆ナンピン・両建て手法となります。
ただし12.5%の確率では3連敗し、マーチンゲール4回目は8ロットも投入しなければならない点が課題。
逆ナンピン手法なのでレンジ相場には弱い手法です。
両建てしているにもかかわらず、3連敗時点で利益の出ているポジションはなく、計-5万円。
このまま逆ナンピン・両建てでロット数を増やし続けるのはリスク大。
そこで、マーチンゲール法で両建てしながらロット数を抑制できるオススメ手法をご紹介します。
マーチンゲール法のデメリットを抑える手法
逆ナンピン両建てマーチンゲール法のデメリットは、負けるとロット数が増え続けること。
そのデメリットを抑える手法として、いったんポジションをロックする(売りと買いを同ロット数にする)方法があります。
上図は先ほどの3連敗後の状態です。両建ての内容は5Lで-5万円、2Sで0円。
ここで3Sを追加投入して、5Lと5Sで両建てして損失をロックするのです。
その後、上がっても下がっても同ロット数の両建てなので-5万円は変わりませんが、例えば20pips下がったとすれば5Sは+10万円となるので、ここで利確します。
ただし両建ての損失部分である5L (-15万円)のうちの3L(-9万円)と相殺しての利確とし、利益は1万円です。
すると面白いことに、両建ては消えて残ったのは2Lのみ。
8倍、16倍…と膨らみそうだった両建てロット数を2Lまで抑えることに成功し、かつ1万円の利益確定もできた状態です。
マーチンゲール手法は低ロットからリセットされ、トレンド発生までこれを繰り返します。
ポイントは、1ロットずつ分割エントリーする点。
そうすれば細かく分割決済でき、小さな利確を交えながらロット数を抑えることもできます。
ただし、1ロットの損失額が上がるので資金管理を厳格に行う必要がある点、レンジ相場が続きすぎると損失解消までの時間がかかる点がデメリット。
資金管理さえしっかり行えば高確率で勝てる両建て手法ですが、FX初心者には難易度高めの手法かも。
マーチンゲール法×海外FXハイレバレッジ手法
マーチンゲール法と海外FXハイレバレッジを組み合わせる手法もあります。
海外FXはハイレバレッジかつボーナスも豪華なので、少ない資金から大きな利益を狙えるのがメリット。
海外FXを使ってマーチンゲール法でFX取引するのは資金効率も良くオススメです。
ハイレバレッジの海外FXを使って、勝てば掛け金分の利益、負ければゼロというFX取引に、マーチンゲール法を加えた手法をご紹介しましょう。
最初に1万円を投入し、勝てば1万円の利益、負ければ1万円の損失。
負けた場合は2万円を投入し、負ければ4万円を投入します。
マーチンゲール3回目までに勝てる確率は87.5%。
マーチンゲールの回数制限を3回(1セット)として2連勝できる確率は76.56%、3連勝できる確率は58.6%です。
この高勝率に賭けて、海外FXハイレバを使って2、3回だけマーチンゲール手法でFX取引して、FX取引初期の軍資金を増やすという方法もアリでしょう。
厳密にはスプレッド分があるので若干勝率は落ちますが、それでも高確率で2、3連勝が望める状況。
ただしマーチンゲール法は長期戦になると不利なので、マーチンゲール法と海外FXハイレバレッジを組み合わせる場合は、短期決戦がオススメです。
その他:マーチンゲール法でよくある質問
最後に、マーチンゲール法でよくある質問に回答します。
- よく聞く逆マーチンゲール法ってどういうもの?
- どれくらい資金を用意した方がよい?
- 損切り・利確の設定はどのくらい?
- マーチンゲール法と自動売買の相性はどう?
では、マーチンゲール法におけるよくある質問について確認していきましょう。
よく聞く逆マーチンゲール法ってどういうもの?
逆マーチンゲール法の正式名称は「パーレー法」です。
パーレー法は買ったときに掛け金を倍にし、負けた場合は最初の掛け金にする手法。
負けたら倍の掛け金を投じるマーチンゲール法とは真逆の手法となります。
パーレー法は連勝したときに爆発的な利益を期待できる点がメリット。
下表は、パーレー法とマーチンゲール法で連勝したときの利益を比較したものです。
連勝数 | パーレー法 | マーチンゲール法 | ||
---|---|---|---|---|
掛け金 | 累計利益 | 掛け金 | 累計利益 | |
1勝 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 |
2連勝 | 2万円 | 3万円 | 1万円 | 2万円 |
3連勝 | 4万円 | 7万円 | 1万円 | 3万円 |
4連勝 | 8万円 | 15万円 | 1万円 | 4万円 |
5連勝 | 16万円 | 31万円 | 1万円 | 5万円 |
6連勝 | 32万円 | 63万円 | 1万円 | 6万円 |
パーレー法は連勝が見込める局面でメリットを発揮できるので、FXにおいては、連勝しやすいトレンド相場でパーレー法を活用するのも一手。
ただし、パーレー法では連勝ストップ時に大きな損失が出るのでご注意ください。
どれくらい資金を用意した方がよい?
マーチンゲール法をFX手法として使う場合、最低でも7連敗(0.78%)は想定しておくことをオススメします。
7連敗すると1回目の128倍の資金が必要。
資金管理面で言えば、1回目の掛け金は総資金の1%以内に抑えておいたほうが良いでしょう。
できれば1回目は総資金の0.1%に収めて、1000倍(10連敗)までは耐えられるのが望ましいですが、これでは利益が小さくなりすぎるので、現実的には難しいかもしれません。
損切り・利確の設定はどのくらい?
マーチンゲール手法は、FX取引回数を多めにこなすことをオススメします。
FX取引回数が少なすぎると、含み損を抱えた時期が長くなりすぎてメンタルにも悪影響が及び、資金管理も冷静にできなくなるリスクがあるからです。
とは言え、数pipsで損切り・利確をするとスプレッド負けするというデメリットも。
オススメとしては10〜30pips程度の値幅での損切り・利確。
これなら短時間で結果が出て、日をまたいだ取引にもなりにくいのでメンタル的にも良いでしょう。
マーチンゲール法と自動売買の相性はどう?
マーチンゲール法を用いた自動売買は多くありますが、正直、マーチンゲール法と自動売買の相性はさほどよくありません。
自動売買のメリットは、感情を入れずルール通りに淡々とFX取引できることですが、マーチンゲール法ではそれがデメリットになるためです。
マーチンゲール手法の自動売買は大抵勝てるものの、時折訪れる大きなドローダウンによって大敗します。
その大敗時も、自動売買ではFXの資金管理などお構いなしで、FX資金がゼロになるまでルール通り倍プッシュがずっと続くのです。
裁量トレードなら、資金の減り具合を見て資金管理の調整も可能ですが、自動売買は止めない限り、ずっとマーチンゲール法を継続するのでいずれ資金破綻することに。
そもそも、自動売買EAでマーチンゲール法を含めていること自体が、「マーチンゲール法を入れないと勝てないロジック」とも言えます。
マーチンゲール法抜きでは利益を出せない自動売買EAは、ロジックが脆弱な可能性もあり、あまりオススメはしません。
ただし「制限付きマーチンゲール法×ナンピン」の自動売買なら検討する価値はあるかも。
マーチンゲール法の弱点である「連敗時のリスク(ドローダウン)」を減らすため、マーチンゲール回数を数回までに制限し、分割で損切り・利確を行う自動売買EAです。
マーチンゲール法のデメリットをカバーした自動売買なら大敗するリスクも低く、ある程度安定的に微益を積み重ねられる可能性はあるでしょう(トレードは自己責任で)。
余談ですが、マーチンゲール法に限らず自動売買をFX手法として使う場合は、自動売買EAのロジックを把握したうえで活用することをオススメします。
まとめ:投資知識としてマーチンゲール法は知っておこう
マーチンゲール法は勝てるまで掛け金を倍に増やす手法で、勝率50%なら理論上は必ず勝てる手法として知られています。
ただし、理論上は勝てるとしても実際には資金管理が破綻するリスクが高いのが特徴。
マーチンゲール法は、手法がシンプルなので手軽に始められ、1勝すれば必ず利益が出ます。
大連敗の発生確率は低いので、短期的にはマーチンゲール手法が成功する確率は高いでしょう。
しかし、いずれ遭遇する大きな連敗時に破綻するリスクがある点、リスクの割に利益が小さい点などがマーチンゲール法のデメリット。
マーチンゲール法をFXに応用することは可能ですが、資金管理を重視するFX投資においてマーチンゲール法はリスクが高く、あまりオススメはできません。
FX手法としてマーチンゲール法を使う場合は、両建て・ナンピン・海外FXハイレバ・自動売買などと組み合わせる手法があるものの、厳格な資金管理が必須。
FXの資金管理が破綻しないよう、マーチンゲールやナンピン回数に制限を設けることをオススメします。
また、マーチンゲール・ナンピン手法ならレンジ相場、マーチンゲール・両建て手法ならトレンド相場が発生しやすい時間帯だけを狙うのも効果的でしょう。
マーチンゲール手法の自動売買を使う際は、自動売買EAのロジックを把握し、マーチンゲールやナンピン回数に制限があって分割決済するタイプの自動売買が良いかもしれません。
マーチンゲール法はFX投資での活用は微妙ですが、投資知識として学ぶことで資金管理を考察する機会も得られるので、ぜひ知っておいて頂ければ幸いです。
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