FX経験者なら、一度は含み損で苦しめられたという経験があるのではないでしょうか。
また、現在トレード中で含み損を抱えている方もいるのではないでしょうか。
FXの含み損がたまってしまうと、大きな損失になることはもちろんメンタル面でも大きなストレスの原因にもなってしまいます。
そこで本記事では、以下のポイントを中心に解説していきます。
- FXトレードにおける含み損・含み益とは
- FXで含み損が出た場合の対処法(損切り)
- 損切りルールの具体例・事例
FXで含み損が膨らんだ時の対処法が知りたい方や、FXで含み損を抱えた時はどうするのか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
FXの含み損について
含み損の対処法を見ていく前に、まずはFXの含み損や含み益について簡単に説明してきます。
それぞれ見ていきましょう。
含み損・含み益とは?
FXにおける「含み損」「含み益」とは、ポジション決済前の確定していない損益のことをいいます。
- 含み益:利確前の仮の利益
- 含み損:損切り前の仮の損失
含み益、含み損はどちらも「仮の利益・損失」であることが共通していますね。
具体例を挙げてFXの含み損について見ていきましょう。
- 1ドル=100円の時に1万ドル(100万円分)買い注文
- 1ドル=99円(1万ドル=99万円)に下落
※1万円分の含み損 - 売り注文で決済(1万円の損失が確定)
このように損失が確定していないけど、「今決済するとこれだけの損失になる」というものが含み損です。
逆に「今決済するとこれだけの利益になる」というものが含み益です。
含み損の状態でポジションを持ち続けることも可能ですが、時間が経つとさらに損失が増えてしまうこともあります。
ただ、含み損のまま決済しないで耐えることで、相場が反転し含み益に変わる可能性もゼロではありません。
FXでは含み損・含み益がリアルタイムで変化するため、初心者トレーダーはどうすればいいか分からず大きな失敗をしてしまうことが多々あります。
そこで次に、FX初心者によくある含み損の失敗について見ていきましょう。
FX初心者に多い失敗
FX初心者で含み損を抱えてしまった場合、その場で損失を認められないことで、結果的に大きな失敗をしてしまうことがあります。
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含み損が出ているとしても、決済するまではその金額はどんどん変化していきます。
もしかすると、含み損がもっと大きくなるかもしれませんが、相場が反転して含み益になる可能性も捨てきれません。
この状態で多くのFX初心者は、含み損が少なくなる可能性を信じていつまでも決済できなくなってしまうのです。
含み損が無くなる可能性もゼロではありませんが、そんな運任せなトレードを繰り返せば結果的には大損となってしまうことが多いでしょう。
このように、含み損を損失として認められないという失敗がFXでは多くあります。
含み損が含み益に変わる可能性も確かにありますが、FXでは早めに失敗を認めて対処することが非常に重要です。
そこで次に、FXの損切りの対処法として最も一般的で最も重要な「損切り」について解説していきます。
含み損の対処法は損切りが基本
FXでは、含み損が大きくなってきた場合は、早めに「損切り」で対処することが重要です。
この章では、
- FXにおける損切りとはそもそも何なのか
- 損切りルールを決めることの大切さ
について解説していきます。
損切りとは?
FXにおける損切りとは、含み損を確定させて損失の拡大を防ぐ手段のことです。
FXでは、含み損をいつまでも決済できないでいると、いつの間にか大きな損失となっていることが少なくありません。
FXで利益を出すためには、負けトレードは早めに諦めて損失をできるだけ小さく抑えることが大切です。
スキーやスノボなどでも始めに正しい転び方を練習すると思います。
それは正しく転ばなければ、起き上がるのに苦労する、大きな怪我を防ぐという目的があります。
FXでも同じです!
正しく転ぶことで損失を小さくおさえて、大損を避けることで次のトレードに備えるのです。
そのため、損切りはFXで最も大切であると言っても過言でないぐらい大切になってくるのです。
損切りルールを決めることの大切さ
FXで損切りが重要だと説明しましたが、実際にどのように損切りすればいいか分からないという人もいるでしょう。
そこでに大切になってくるのが自分で損切りのルールを決めるということです。
刻一刻と変化する為替を見ながら、その場その場で判断して損切りをできるという人はほとんどいません。
FX初心者であれば、なおさら難しいでしょう。
そのため、自分の中で含み損が〇〇pipsになったら損切りするといったようなルールを作ることが大切になってきます。
損切りのルールさえ決まっていれば、含み損の金額だけを見て焦らず機械的に損切りをすることが可能です。
続いては、損切りルールの事例について見ていきましょう。
損切りルールの具体例
FXで一般的に利用されている損切りルールは、主に以下のようなものがあります。
- pips数で損切りルールを決める
- 資金量から損切りルールを決める
- 勝率とリスクリワードでルールを修正する
実際にトレードする際は自分の使いやすいルールで構いませんが、損切りのさまざまなルールや考え方を理解することは非常に重要です。
pips数で損切りルールを決める
最も一般的な損切りルールとして、トレードスタイルとpips数で損切りの基準を決めるという方法があります。
トレードスタイル別の損切りpips数の目安はこちらです。
トレードスタイル | トレード時間 | 損切りpips数 |
---|---|---|
スキャルピング | 数十秒から数分 | ~10pips |
デイトレード | 数分から1日 | 20~50pips |
スイングトレード | 1日以上 | 50~200pips |
ただ、この基準に絶対に従わなければならないということではありません。
トレードごとに臨機応変に対処しながらも、損切りの基準が明確にないという方は、まずこれらの基準を元に損切りの幅を決めてみてください。
資金量から損切りルールを決める
損切りルールの別の例として、「資金量から損切りルールを決める」というものもあります。
投資の世界で有名なものに「2%ルール」というものがあります。
これは1回のトレードでの損失は、多くても資金の2%以内に収まるようにする、というルールです。
具体的に、100万円の資金を持っている場合の2%ルールを考えてみましょう。
- 100万円の2%=2万円
- 1回のトレードでの損失は2万円まで
- 含み損が2万円を超えたら損切り
- 1,000万円分の取引(レバレッジ10倍)だと
20pipsで2万円の含み損
つまり、遅くとも20pipsになったタイミングで損切りする必要があるということです。
そもそも、2%を超える損失を出してしまうのは手法や戦略が間違っている可能性があります。
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できるだけ損失が少なく利益が大きくなるような戦略に見直してみましょう。
またFX初心者であれば、勝率や負けのリスクを考えて資金量の1%で損切りするのもおすすめです。
自分の実力や資金力に合わせてルールを設定してみましょう。
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決めたルールは絶対に守ることが重要です!
勝率とリスクリワードでルールを修正
最後に、設定した損切りルールを実力や勝率に合わせて修正していく方法を解説していきます。
一度設定したルールを守ることは重要ですが、さらに利益を伸ばすためにはそのルールをさらに改善していくことが必要です。
その損切りルールの修正に必要なのが、
- 勝率
- リスクリワード
- 期待値
の考え方です。
それぞれ見ていきましょう。
勝率
FX初心者の多くは、「トレードの勝率は高ければ高い方がいい」と考えている方がほとんどです。
しかし、FXにおいては勝率は高ければいいというわけでもありません。
例えば、勝率が9割であったとしても以下のようなトレードでは結果的には損失となってしまいます。
- 勝率9割(10回のトレード中9回勝ち)
- 勝ちトレードでの利益:10万円
- 負けトレードでの損失:100万円
これでは、勝率9割であってもトータルではマイナス10万円の損失です。
(10万円×9回-100万円×1回=-10万円)
このようなトレードで損失を出さないために重要なのが、次の「リスクリワード」の考え方です。
リスクリワード
リスクリワードとは、勝った時と負けた時の比率(金額)のことを言います。
リスクリワードは、「勝ちトレードの利益÷負けトレードの損失」で計算できます。
先程の、勝ちトレードでの利益=10万円・負けトレードでの損失=100万円で計算すると、
となり、リスクリワード=0.1として表せます。
リスクリワードは1以上で損失よりも利益が大きいことになるため、この条件では負けによるリスクが大きすぎるといえますね。
リスクリワードは、高ければ高いほど勝ったときの利益が多いため、できるだけリスクリワードが高くなる戦略を選ぶことが重要です。
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FXでは、勝率とリスクリワードの両方を高めることで利益を最大化できます。
ただ、勝率とリスクリワードどちらもあげろと言われても難しいと思います。
そこで、最後にFXにおける「期待値」の考え方について紹介していきます。
期待値
期待値とは簡単に言うと、一回のトレードで得られる利益の平均のことをいいます。
期待値=勝率×買った場合の利益-負率×負けた場合の損失
先ほどの例で計算すると
です。
つまり、この勝率とリスクリワードでFXを続けると、トレードごとに平均で1万円の損失が出るという期待値を予測できます。
この期待値が高ければ高いほど、利益が多くなるということですね。
そのため、FXで利益を最大化させるためには、作成したルールをこの期待値が高くなるように損切りの基準を改善していかなければなりません。
ぜひ、さまざまな手法を試してこの期待値を最大化することを目指していきましょう。
当サイトでは、海外FXについてさまざまな情報を発信しています。海外FXと国内FXの違いについて知りたい方は、まずは以下の記事をご覧ください。
関連:海外FXでは借金リスクがない!ハイレバでも借金せず国内FXより安全な理由とは?
FXに関連するよくある質問
最後に、FXの含み損に関連するよくある質問をQ&A形式で解説していきます。
- FXの損益の計算方法を教えてください
- レバレッジの設定はFXの場合どうするのがベスト?
- FXで含み損が出ている場合は税金や確定申告は必要?
- 自動売買(EA)で運用した時でも含み損を抱えることはありますか?
- スイングトレードでも含み損は発生しますか?
それぞれを順に見ていきましょう。
FXの損益の計算方法を教えてください
売レートから買レートを引き、取引数量を乗じたものが取引損益です。
レバレッジの設定はFXの場合どうするのがベスト?
レバレッジの設定はFXの場合どうするべきかは、余剰資金やトレードスタイルやによって異なります。
例えば、海外FXの場合、レバレッジは1000倍以上かけられます。少ない資金で大きな利益を狙える反面、含み損を抱えやすいデメリットもあります。
レバレッジは、自身のトレードスタイルにあわせて設定するようにしましょう。
FXで含み損が出ている場合は税金や確定申告は必要?
結論から言うと、FXで含み損が出ていても税金や確定申告は必要ありません。
税金は、投資による収益や損失に応じて課税されます。しかし、含み損は実際には損失が確定していないため、税金がかかるかどうかはその時点で保有している資産の評価額によって異なります。
具体的には、含み損がある場合には、その資産を売却して損失を確定させなければ、税金はかかりません。損切りしないまま翌年になっても含み損が続いている場合は、その時点で確定した損失が所得控除として利用できる場合があります。
また、利益が出ている場合には、その利益に対して税金が課されます。ただし、税金については個人の所得や居住地などによって異なるため、詳しい内容については税理士や税務署などの専門家に相談することをおすすめします。
自動売買(EA)で運用した時でも含み損を抱えることはありますか?
FXを自動売買(EA)で運用した場合でも含み損は発生します。
自動売買は、相場の状況を加味しながら、自動でトレードを行ってくれるメリットがありますが、実際は利益を出し続けることは不可能です。時には含み損を抱えてしまう可能性もあります。
自動売買には多くのメリットがありますが、100%勝てる手法ではないので、FXを行う際は自身にあった取引スタイルでトレードしましょう。
スイングトレードでも含み損は発生しますか?
スイングトレードでも含み損は発します。スイングトレードは、一般的に1日〜数週間程度を目安に取引するトレード手法ですが、スイングトレードよりも短期で売買を繰り返して利益を狙う「デイトレード」や「スキャルピング」といった手法に関しても含み損は発生します。
まとめ:FXで含み損を抱えた際は適切対処法を!
今回は、FXで含み損を抱えた際の対処法や損切りルールなどを解説しました。
FXを行う中で、含み損は付き物です。しかし、対処法を知らないまま放置していると含み損が大きく膨れ上がる可能性があります。
適切なタイミングで損切りを行えば、損も最小限に抑えられます。
なお、海外FXでは、含み損をどれだけ抱えてもゼロカットを採用しているため、追証が発生しません。つまり、借金を抱えるリスク無しでトレードが行えます。
リスクを最小限に抑えながらFX取引をしたい方は、ぜひこの機会に海外FXにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
現在、FXで含み損が出ているとして考えてみましょう。