「債権回収会社の売上高ランキングを知りたい」
「債権回収会社に依頼するメリットは?」
「営業許可を受けたサービサーを一覧で確認したい」
「不良債権を買い取ってもらえるか相談したい」
債権回収会社(サービサー)は、金融機関等から委託・譲渡(売却)を受け債権の管理回収を行う会社で、債務者に直接債権を取り立てることができる企業です。
サービサーの中には上場している企業もありますが、大手企業傘下の非上場企業も少なくありません。
本記事では債権回収会社を直近の決算の売上高(経常収益)データに基づいてランキングにし、一覧で紹介しています。また、債権回収を依頼するメリット・デメリットや注意点、ファクタリング会社の違い、覚えのない督促が来た場合の相談先などについても解説していますので参考にしてください。
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目次
債権回収会社(サービサー)とは
債権回収会社とは、金融機関等から委託・譲渡(売却)を受けて債権の管理や回収を行う企業を指し、サービサーとも呼ばれます。
債権管理回収業に関する特別措置法に則り、法務省の認可を受けて業務を行っています。
参考:法務省:債権回収会社(サービサー)制度 -債権管理回収業に関する特別措置法-
債権回収会社の種類
債権回収会社(サービサー)を設立するには「資本金5億円以上」という条件が課されていることから、個人が簡単に設立できる業態ではないため、大手企業の出資を受けて設立された例が少なくありません。
具体的には、以下のような出資母体を持つ債権回収会社で構成されます。
-
金融機関系
-
信販・貸金・リース系
-
外資系
-
不動産系
-
独立系
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その他
債権回収会が扱う債権の多くは、金融機関等による貸付債権やクレジット債権であることもあり、金融機関や信販・貸金・リース系の子会社やグループ企業が多いのが特徴となっています。
債権回収会社の売上高ランキング
債権回収会社(サービサー)を売上高ランキングに基づいて一覧で紹介します。
順位 |
会社名 |
売上高 |
---|---|---|
1位 |
134億6600万円 |
|
2位 |
122億1900万円 |
|
3位 |
73億3589万8000円 |
|
4位 |
56億8000万円 |
|
5位 |
55億1742万9000円 |
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6位 |
49億5300万円 |
|
7位 |
48億5419万7000円 |
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8位 |
39億6500万円 |
|
9位 |
38億1400万円 |
|
10位 |
33億2508万円 |
※ランキングは2023年10月18日時点で 官報決算データベース に公開されている、直近の決算情報を元に作成しています
※法務省が2023年10月1日時点で公開している74社のうち、企業公式サイトや官報決算データベースで決算データを確認できた72社を対象にしています
参考:官報決算データベース
1位 株式会社整理回収機構
会社名 |
株式会社整理回収機構 |
---|---|
法人番号 |
8011201002545 |
代表者 |
本田守弘 |
本店所在地 |
〒100-0005 東京都千代田区丸の内三丁目4番2号 |
TEL |
03-3213-7101 |
URL |
株式会社整理回収機構は、東京都千代田区に本社を置く債権回収会社(サービサー)です。
預金保険機構の全額出資の下、1996年7月に設立された住宅金融債権管理機構を前身とし、1999年4月に整理回収銀行と合併して現在の株式会社整理回収機構となった歴史を持っています。北海道から九州まで、全国的に支店を展開しています。
2位 アビリオ債権回収株式会社
会社名 |
アビリオ債権回収株式会社 |
---|---|
法人番号 |
5010001132002 |
代表者 |
渋谷愛郎 |
本店所在地 |
〒135-0061 東京都江東区豊洲二丁目2番31号 |
TEL |
03-6854-4645 |
URL |
アビリオ債権回収株式会社は、SMBC(三井住友銀行)グループの債権回収会社(サービサー)で全国1600先超の取引先を誇ります。
1999年5月、日本で5番目に法務大臣の営業許可を取得した歴史の深いサービサーで、豊富な業務経験に基づく幅広い債権の取り扱いを可能としている企業として知られています。
3位 ニッテレ債権回収株式会社
会社名 |
ニッテレ債権回収株式会社 |
---|---|
法人番号 |
5010401023016 |
代表者 |
長岡 智重 |
本店所在地 |
〒108-0023 東京都港区芝浦3-16-20 芝浦前川ビル5F |
TEL |
03-3769-4611 |
URL |
ニッテレ債権回収株式会社は、NTSホールディングスを株主とする債権回収会社(サービサー)で、同グループの中核を担う企業です。
平成15年4月にはサービサー業界初のプライバシーマーク取得を実現するなど、徹底した個人情報保護とコンプライアンス体制で債権管理を実施。顧客からの信頼を獲得しています。全国展開かつ地域密着を打ち出したサービサーです。
4位 アイ・アール債権回収株式会社
会社名 |
アイ・アール債権回収株式会社 |
---|---|
法人番号 |
5010001073816 |
代表者 |
清岡哲弘 |
本店所在地 |
〒102-0083 東京都千代田区麹町三丁目4番地 |
TEL |
03-5215-6511 |
URL |
アイ・アール債権回収株式会社は、MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)の債権回収会社で、最初はアコム株式会社の出資を受けて設立された企業です。
ミッションである「人びとの豊かな未来への力になる」には、取引先との相互発展や、顧客のリスタートの後押し、ステークホルダーの未来への力になる、という思いが込められています。
5位 日本債権回収株式会社
会社名 |
日本債権回収株式会社 |
---|---|
法人番号 |
2010001070337 |
代表者 |
松尾秀樹 |
本店所在地 |
〒102-8503 東京都千代田区麹町五丁目2番地1 |
TEL |
03-3222-0328 |
URL |
日本債権回収株式会社は、オリコカードを運営する株式会社オリエントコーポレーションの100%子会社として1999年1月に設立された債権回収会社(サービサー)です。
信販大手であるオリエントコーポレーションの、50年以上にわたるノウハウや支援体制を特長としています。
6位 セゾン債権回収株式会社
会社名 |
セゾン債権回収株式会社 |
---|---|
法人番号 |
1013301015359 |
代表者 |
宮武信夫 |
本店所在地 |
〒170-6053 東京都豊島区東池袋三丁目1番1号 |
TEL |
03-6830-5180 |
URL |
セゾン債権回収株式会社は、クレジット業界最大手の株式会社クレディセゾングループに属する債権回収会社(サービサー)です。
クレディセゾンから受け継がれた約半世紀にわたる回収実績やノウハウ、年中無休のオペレーション体制、高いセキュリティによるデータ管理などを特長としています。
7位 エー・シー・エス債権管理回収株式会社
会社名 |
エー・シー・エス債権管理回収株式会社 |
---|---|
法人番号 |
6040001013941 |
代表者 |
松山正弘 |
本店所在地 |
〒261-0023 千葉県千葉市美浜区中瀬1-3 幕張テクノガーデンD棟16F |
TEL |
043-332-2200 |
URL |
>エー・シー・エス債権管理回収株式会社は、イオングループのイオンフィナンシャルサービス株式会社を主要株主とする債権回収会社(サービサー)です。
デジタル化推進による業務プロセス改革を掲げており、デジタル技術を活用した業務プロセス改革による業務効率化や生産性向上、顧客への利便性向上を推進。リテール債権市場におけるシェアNo.1を目指しています。
8位 株式会社住宅債権管理回収機構
会社名 |
株式会社住宅債権管理回収機構 |
---|---|
法人番号 |
3011101037745 |
代表者 |
渕野昭宏 |
本店所在地 |
〒162-0811 東京都新宿区水道町3番1号 |
TEL |
03-3513-1900 |
URL |
株式会社住宅債権管理回収機構は、公的住宅ローンを中心に取り扱う債権回収会社(サービサー)です。
2004年の設立以来、独立行政法人住宅金融支援機構をはじめとする住宅ローンの受託や買取を中心に事業を展開し、現在はカードローンや事業ローンなども取り扱う企業として成長しています。
9位 あおぞら債権回収株式会社
会社名 |
あおぞら債権回収株式会社 |
---|---|
法人番号 |
7010001025427 |
代表者 |
萩尾 崇 |
本店所在地 |
〒102-0073 東京都千代田区九段北1-13-5 |
TEL |
03-3265-0456 |
URL |
あおぞら債権回収株式会社は、あおぞら銀行を親会社に持つ債権回収会社(サービサー)です。
親会社ではなく全国の金融機関の債権を中心に取り扱っているという点から、業界内でもユニークな存在として知られています。
10位 保証協会債権回収株式会社
会社名 |
保証協会債権回収株式会社 |
---|---|
法人番号 |
6010001072536 |
代表者 |
勝又芳德 |
本店所在地 |
〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町二丁目35番4号 |
TEL |
03-6810-8363 |
URL |
保証協会債権回収株式会社は、信用保証協会の無担保債権の管理や回収を中心業務とする債権回収会社(サービサー)です。
信用保証協会は、中小企業や小規模事業者が金融機関から融資を受ける際の保証人になることで融資を受けやすくする「信用保証制度」を提供しており、同制度は金融機関にとっても融資しやすくなるというメリットをもたらしています。
債務者の実情把握、返済の相談に応じられるよう全国に営業拠点を配置し、回収額の最大化と国民負担の最小化を図ることにより、社会的使命を果たしています。
債権回収会社に債権譲渡(売却)・回収を依頼するメリット・デメリット
債権回収会社を利用するメリットとデメリットを紹介します。
債権回収会社に依頼するメリット
債権回収会社を利用する主なメリットは以下の通りです。
-
債権回収の負担を減らせる
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債務者が破産した場合の損失を回避できる
-
認可を受けた企業のため安心して依頼できる
債権回収の負担を減らせる
企業が債権回収会社を利用することで、債権回収の負担を軽減することが可能です。
債権回収のための督促業務が増えると、本来の業務に割くことができたリソースを債権回収業務に奪われてしまいます。
債権回収会社に債権の回収を委託、または債権譲渡(売却)すれば、債権回収の負担を減らすことができ、本業にリソースを集中投下できるようになるでしょう。
債務者が破産した場合の損失を回避できる
万が一、債務者が破産した場合は債権の回収が困難になってしまいますが、債権回収会社に債権を譲渡(売却)した場合は未回収による影響を受けなくなります。
もちろん債権譲渡(売却)には手数料がかかりますが、回収不能になってしまうリスクを考慮すれば譲渡(売却)してしまうのも一つの方法といえるでしょう。
認可を受けた企業のため安心して依頼できる
債権回収会社は以下のような条件をクリアした上で、法務大臣による認可を受けた企業です。
-
資本金5億円以上
-
取締役に弁護士が1名以上在籍
-
暴力団との関わりが無い
悪質な取り立てを行うことはなく法律に則り回収業務を行うため、安心して依頼できるでしょう。
万が一、債務者とトラブルに発展したとしても、原則として債権回収会社が対応してくれるのも利用するメリットの一つといえます。
債権回収会社に依頼するデメリット
債権回収会社を利用するデメリットは以下の通りです。
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取り扱いのある債権に限りがある
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手数料がかかる
-
詐欺被害にあう可能性がある
取り扱いのある債権に限りがある
債権回収会社が取り扱うことができる債権は、以下に挙げる「特定金銭債権」のみです。
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クレジットカード債権
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各種ローン債権
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リース代金債権
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物販債権
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マンション管理費債権
など
一般企業の売掛金や個人の債権などは対象外となりますので、特定金銭債権以外の債権回収は弁護士などに依頼することになります。
手数料がかかる
債権回収会社を利用する際のデメリットとして、手数料や回収委託費用など別途費用が発生することが挙げられます。
これは、債権回収会社が回収した金額と債権の買取金額の差額を利益とするためで、回収リスクが高いほど買取金額は低く設定される傾向にあります。
債権回収が可能な場合は自社で回収し、回収が難しいと判断した場合にのみ債権回収会社を利用することで費用を抑えることができるでしょう。
詐欺被害にあう可能性がある
一部の業者は債権回収会社を装い、詐欺を行うことがあるので注意しましょう。
また、法務大臣の認可を受けていない業者が正規の業者であるかのように偽り、広告を出して委託料を騙し取ることもあります。
これらの詐欺業者は法務大臣の認可を受けていないため、利用前には正式な債権回収会社であるか以下のページから確認しましょう。
債権回収会社に関する注意点
債権回収会社を利用する際や、債権回収会社から請求が来た際は、以下の点に注意しましょう。
債権回収会社の名前を騙る企業には応じず、相談を
一般消費者を狙い、債権回収会社の名前を騙り詐欺行為を行う業者がいるため注意しましょう。
法務省によると、債権回収会社の名前または類似の名前を騙り、架空の債権を請求するケースについての相談や情報が法務省や消費生活センター等に寄せられていると報告しています。
具体的には、実在する債権回収会社と類似の商号を騙り、以下の文面を記載したショートメールが送付されているとしています。
「債権移行につき確認事項が御座います。本日中に必ず御連絡下さい。」
心当たりのない請求には安易に応じず、まずは消費生活センター等に相談しましょう。
相談先は下記に掲載されている消費者ホットラインまたは全国の消費生活センターです。
法務省または全国サービサー協会のサイトのサービサー会社一覧を確認する
前述したように、法務大臣の認可を受けずに債権回収会社を騙る業者が確認されているため、債権回収会社を利用する際や、債権回収会社と称する会社から連絡が来た場合は、法務大臣の認可を受けた会社かどうかを事前に確認しましょう。
債権管理回収業の営業を許可された会社は、下記の法務省のページで一覧で確認できます。
または、下記の一般社団法人 全国サービサー協会の「会員会社一覧 」でも確認可能です。
参考:会員会社一覧 | 全国サービサー協会について | 一般社団法人 全国サービサー協会
督促の流れを事前に把握しておく
債権回収会社からの督促通知を無視し続けていると、財産差し押さえに至る可能性があります。
通知を無視し続けていると起こる可能性のある流れを事前に把握しておきましょう。
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債権譲渡の通知
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電話やハガキでの督促
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内容証明郵便での督促
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裁判所からの連絡
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差し押さえ
差し押さえを防ぐためにも、債権回収会社から督促が来た場合は早い段階で対応するようにしましょう。
個人向けの債権回収は行っていない
サービサーは基本的に個人向けの債権回収業は行っていません。
個人間の貸し借りによる債権など、個人向けの債権回収業者を探している場合は、サービサーではなく弁護士に依頼しましょう。
ファクタリング会社との違い
ファクタリング会社と債権会社は両社とも債権譲渡(譲渡)を含む取引を行っていますが、業務内容には以下のように明確な違いがあります。
-
ファクタリング会社:売掛債権を買い取り現金化する
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債権回収会社:不良債権を買い取り、回収・管理する
ここではそれぞれの会社の特徴を解説します。
ファクタリング会社の特徴
ファクタリング会社は売掛債権を買い取り、現金化することで収益を上げている会社で、個人向け・法人向けのサービスを提供しています。
主な利用者は個人事業主・フリーランスや中小企業で、すぐに資金が必要な場合に債権を譲渡(売却)し、資金調達を行います。
利用者は請求書記載の額面から買取手数料を差し引いた金額を、最短で申し込み当日に受け取ることができるため、支払期日までの資金繰りが難しい場合に活用するのがおすすめです。
少額から利用できる会社もありますので資金の工面が必要な方は、まずは相談・見積もりをしてもらいましょう。
なお、総合的に評価されている人気のファクタリング会社については、ファクタリングおすすめランキングにて詳しく解説しています。
債権回収会社の特徴
債権回収会社は、代金が振り込まれないまま期日を過ぎた不良債権の回収や管理を行う会社です。
利用する際は債権を譲渡(売却)するか、債権の回収を委託する契約かを選ぶ必要があります。
主に金融機関やクレジット会社などの企業から、債権を効率的に回収したり、手放したりするために利用されています。
不良債権の処理にお困りの担当者は、まずは相談・問い合わせてみてはいかがでしょうか。
債権回収会社の売上高ランキング まとめ
本記事では債権回収会社の売上高ランキングを紹介しました。
債権回収会社(サービサー)の多くは大手銀行グループや信販系企業を母体としており、売上高ランキングでもこれらの企業が上位にランクインしていました。
債権回収会社を利用すれば、金融機関等は債権回収業務の負担を減らし、本来の業務に集中することができます。
債権譲渡(売却)契約を結べば、不良債権に頭を悩ませることも少なくなるでしょう。企業や担当者の方は利用の検討、問い合わせ窓口に相談してみましょう。