サービス名 | 特徴 |
---|---|
ベストペイ(BESTPAY) |
最短翌日入金 手数料5%~ |
トップ・マネジメント |
個人事業主も利用可 手数料3.5%~12.5% |
ペイブリッジ(広告・IT専門) |
最短2時間で入金 広告・IT特化型 |
「審査通過のコツを知りたい」
「請求書ファクタリングとの違いは?」
「おすすめの注文書ファクタリングサービスを知りたい」
注文書ファクタリングは、発注を受けた時点で注文書を現金化できるサービスで、請求書買取よりも早い資金調達が可能です。
本記事では、おすすめの注文書ファクタリング会社を紹介。メリットやデメリット、審査のポイント、他の調達方法との使い分け方などについても解説しています。
自社に適したサービスを選択することで、資金繰りの問題を解決しやすくなるでしょう。
なお、総合的に評価されている人気のファクタリング会社については、ファクタリングおすすめランキングにて詳しく解説しています。
目次
注文書ファクタリングとは
注文書ファクタリングとは、注文書(発注書)を債権として売却をし、資金化できるサービスです。
ここでは注文書ファクタリングの概要と、一般的な請求書ファクタリングとの違いを解説します。
将来債権(注文書・見積書・発注書・受注書)を売却できるサービス
注文書ファクタリングは、将来債権を売却できるファクタリングサービスです。
売掛債権が発生した段階でファクタリング業者に売却できるため、取引先から発注を受けた時点で資金調達を行い、事業資金化できる調達方法です。
一般的な企業間取引では次の流れで書類が発行されます。
- 見積書:事前に商品やサービスの金額を提示する書類
- 注文書:商品やサービスを注文する側(売掛先)が発行する注文内容が記載された書類
- 納品書:商品の提供が終わった際に納品確認のために発行する書類
- 受領書:商品やサービスを注文した側(売掛先)が受け取ったことを確認する書類
- 請求書:商品やサービスの料金を請求する書類
注文書ファクタリングでは、売掛先が注文書を発行した段階で債権を譲渡でき、本来の入金期日より最大180日早く資金化できるのです。
一般的なファクタリングでは30〜60日までしか早められません。
この期間での資金繰りが難しい企業が注文書ファクタリングを利用すれば、資金ショートを防げるでしょう。
注文書ファクタリング以外の資金調達方法は以下の記事で紹介しています。
請求書ファクタリングとの違い
注文書ファクタリングと請求書ファクタリングの主な違いは以下の通りです。
注文書ファクタリング | 請求書ファクタリング | |
---|---|---|
買取対象 | 注文書・発注書・受注書 | 請求書 |
資金調達のタイミング | 仕事の受注時点 | 商品・サービスの納品完了後 |
支払いサイト | 最大6カ月程度 | 最大1~2カ月日程度 |
手数料 | 請求書ファクタリングより高い | 1~20%程度 |
取引先への通知 | 通知されない | 2社間:通知されない 3社間:通知される |
※支払いサイト:取引期間の締め日から支払期日までの期間のこと
注文書ファクタリングと請求書ファクタリングの大きな違いは資金調達のタイミングです。
請求書ファクタリングが商品やサービスを提供が完了してなければ売却できないのに対し、注文書ファクタリングは発注を受けた時点で売却できるのです。
受注〜納品までのサイクルが長い建設業や運送業などでは、この支払日の短縮は事業存続に大きな影響を与えるといえるでしょう。
手数料にも違いがあり、注文書ファクタリングは請求書ファクタリングよりも手数料が高く設定されています。
>>注文書ファクタリングを含むおすすめのファクタリング会社紹介はこちら
注文書ファクタリングおすすめ8選!個人事業主が利用できる業者も紹介
おすすめの注文書ファクタリング会社8選は以下の通りです。
会社名 | 公式サイト | 利用対象 | 入金スピード | 手数料 |
---|---|---|---|---|
ベストペイ(BESTPAY) |
【公式】 | 法人 | 最短翌日 | 5%〜 |
トップ・マネジメント |
【公式】 | 法人・個人事業主 | 最短即日 | 3.5〜12.5% |
ペイブリッジ(広告・IT専門) |
【公式】 | 法人 | 最短2時間 | 3.5〜12.5% |
GMO BtoB早払い |
【公式】 | 法人 | 最短2営業日 | 2〜12% |
ビートレーディング |
【公式】 | 法人・個人事業主 | 最短即日 | 4~12% |
けんせつくん |
【公式】 | 法人・個人事業主 | 最短2時間 | 5%〜 |
建設ガーディアン |
【公式】 | 法人・個人事業主 | 最短1時間 | 1%~ |
NEXTSTYLE |
【公式】 | 法人・個人事業主 | 最短即日 | 2%〜 |
各サービスのおすすめポイントや利用のメリットを解説します。
ベストペイ(BESTPAY)
買取手数料 | 5%〜 |
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入金スピード | 最短翌日〜3営業日ほど |
調達可能額 | 100万円〜3億円 |
必要書類 | 注文書(発注書) 通帳3カ月分(表紙付き) 本査定申込書 |
個人事業主の利用 | 注文書は法人のみ |
面談の有無 | 面談有り |
申し込み方法 | 電話・メール |
公式サイト | https://best-pay.jp/ |
- 〜3億円まで対応可能
- 融資落ちでも利用できる
- 業種問わず対応できる
ベストペイは、ベストファクターの運営元である株式会社アレシアが提供する注文書(発注書)買取サービスです。
ファクタリング契約によっては売掛先の承諾が必要となるケースもありますが、ベストペイは2社間ファクタリングを採用しているため、売掛先の承諾は不要です。
売掛先に資金調達をしている事実を伝えられると「資金難で事業が上手くいっていない会社かも」と思われ、今後の取引に悪影響を及ぼすかもしれません。
しかし、ベストペイなら売掛先にファクタリング利用を知られず、安心して資金調達・現金化できます。
注意点として、請求書ファクタリングのベストファクターは個人事業主でも利用できるのですが、注文書ファクタリングは、法人のみ対象となり、個人では利用できません。
トップ・マネジメント(個人事業主対応)
買取手数料 | 3.5〜12.5% |
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入金スピード | 最短即日 |
調達可能額 | 30万円〜3億円 |
必要書類 | 見積書・受注書・発注書 |
個人事業主の利用 | 利用可 |
面談の有無 | 面談有り(Zoom面談対応) |
申し込み方法 | 電話・メール・Web |
公式サイト | https://top-management.co.jp/ |
- 創業13年目の老舗
- 個人事業主も利用可能
- 夕方の申し込みでも当日夜に入金可能
- コンサルティングサービス無料
トップマネジメントは、総買取実績55,000件を誇る老舗ファクタリング会社で、注文書(発注書)ファクタリングにも対応しています。
顔が見える安心感を売りにしており、公式サイトでは代表者・スタッフの写真とプロフィールを前面に公開しています。
あらかじめ担当者となる者の人物像を把握できるため、はじめてファクタリングを利用する人でも、「おかしな業者に申し込んで騙されないか?」といった心配がありません。
また、注文書など実際に請求が来ていない状態で利用できるファクタリングの中で数少ない個人事業主にも対応している会社でもあります。個人で注文書ファクタリングを利用したい方はぜひ検討してみてください。
3カ月などの長い支払いサイトの注文書でも資金調達・現金化できるなど、非常に使い勝手がいいのが特徴です。
ペイブリッジ | オンライン面談対応
買取手数料 | 3.5〜12.5% |
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入金スピード | 最短2時間 |
調達可能額 | 〜3億円 |
必要書類 | 見積書・受注書・発注書 |
個人事業主の利用 | 注文書ファクタリングは法人のみ |
面談の有無 | 面談有り(オンライン対応) |
申し込み方法 | 電話・Web |
公式サイト | https://www.t-pb.com/ |
- 創業13年目の老舗
- 審査通過率95%
- 広告・IT事業に特化
ペイブリッジは広告・IT関連事業者専門の資金調達サービスで、注文書(見積書・発注書)を現金化できます。
運営元は老舗ファクタリング会社であるトップ・マネジメント。累計45,000件、100億円を超える買取実績を誇る安心・安全なファクタリング会社です。
ペイブリッジの特徴は広告・IT関連事業者に特化したサービスであること。専門知識が豊富だからこそ、最短3分の審査と最短2時間の入金スピードを実現しています。
注文書ファクタリングの利用は法人に限られますが、広告・IT事業を営むスタートアップや中小企業の強い味方になり得るサービスです。
GMO BtoB早払い
買取手数料 | 注文書買取:2〜12% 請求書買取:1〜10% |
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入金スピード | 最短2営業日 |
調達可能額 | 100万円〜1億円 |
必要書類 | 審査 売主の決算書2期分と試算表 買主の審査依頼書 取引基本契約書等契約 見積書 発注書 請求書 納品確認書(検収書) |
個人事業主の利用 | 利用不可 |
面談の有無 | オンライン完結 |
申し込み方法 | 電話・Web |
公式サイト | https://www.gmo-pg.com/service/hayabarai/ |
- リピート率86%以上
- オンライン・対面どちらも相談可能
- 大口債権にも対応できる
GMO BtoB 早払いは、東証プライム上場企業であるGMOペイメントゲートウェイ株式会社が運営するファクタリングサービスで、注文書(発注書)ファクタリングにも対応しています。
GMOグループはファクタリングサービス以外にも、金融・決済関連の事業を営んでおり、設立年も1995年と歴史があるため、信頼性と実績には優れているでしょう。
手数料が、請求書買取2%〜・注文書買取2%〜と、相場と比べても安い手数料で提供されているのも嬉しいポイント。
低手数料で、安心してファクタリングを利用したい中小企業のオーナーにとっては、相談するべき1社といえます。
ビートレーディング
買取手数料 | 2者間:4~12% 3者間:2~9% |
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入金スピード | 最短5時間 |
調達可能額 | 上限・下限なし |
必要書類 | 売掛債権に関する資料(請求書) 通帳のコピー |
個人事業主の利用 | 利用可 |
面談の有無 | オンライン完結 |
申し込み方法 | 電話・メール・Web |
公式サイト | https://betrading.jp/ |
- PC・スマホでオンライン契約
- 面談希望は、遠方の訪問にも対応
- 専任女性オペレーター制度
ビートレーディングは、審査通過率98%とスピーディーな対応に定評のあるファクタリング会社で、注文書(発注書)ファクタリングにも対応しています。
取引実績3.7万社・累計取扱高900億円と、豊富な実績があるからこそ柔軟な審査が行われていると伺えます。
また、調達可能額の上限・下限を設けていないものの、公式サイトには過去に3万円〜7億円までの買取実績があると記載があります。
ファクタリング会社は利用頻度に応じても手数料が変動するため、できれば同じ業者を長期的に利用したいところ。
今は小口債権だが、今後大口債権を売却するかもしれない、といった方は最初に相談しておくべき業者といえるでしょう。
けんせつくん | 建設業特化
買取手数料 | 5%〜 |
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入金スピード | 最短2時間 |
調達可能額 | 上限・下限なし |
必要書類 | – |
個人事業主の利用 | 利用可 |
面談の有無 | オンライン完結 |
申し込み方法 | メール・LINE |
公式サイト | https://xn--y8jd4aybzqd.jp/ |
- 顧客満足度94%
- 低手数料5%〜
- 小口〜大口まで対応可能
けんせつくんは、株式会社ウィットが提供する建設業界専門のファクタリングサービスで、注文書(発注書)ファクタリングに対応しています。
建設業の長い支払サイトによって資金繰りに悩む事業主に向けて、最短2時間での資金調達・現金化に対応しています。
少額・個人事業主でも利用可能となっており、まだ事業規模の小さな企業にとっては頼り甲斐のあるサービスといえるでしょう。
オンライン完結で、スマホだけあれば手続きに進める手軽さも優れたポイントです。
建設ガーディアン | 建設業特化
買取手数料 | 1%~ |
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入金スピード | 最短1時間 |
調達可能額 | 〜1億円 |
必要書類 | – |
個人事業主の利用 | 利用可 |
面談の有無 | 面談有り(ビデオ面談対応) |
申し込み方法 | 電話・Web |
公式サイト | https://kensetufactoring.com/ |
- 低手数料1%〜
- オンライン面談対応
- 赤字決算・税金滞納でも利用可能
建設ガーディアンは、業界最安値の手数料1%〜を実現する建設業特化のファクタリングサービスで、注文書(発注書)の買取に対応しています。
取引形態は2社間・3社間の両方を採用しており「取引先に知られたくない」「手数料を最大限に抑えたい」といったニーズに応えます。
ファクタリング会社は最短即日に対応する業者が多い中、建設カーディアンはさらにスピーディーに対応しており、最短1時間というスピード感での資金調達・現金化を実現しています。
公式サイトの「簡単無料10秒査定フォーム」、または電話でも査定を実施しているため、売掛債権の買取金額を知りたい建設業の方は、問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?
NEXTSTYLE
買取手数料 | 2%〜 |
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入金スピード | 最短4時間 |
調達可能額 | 20万円~5,000万円 |
必要書類 | 入出金の確認ができる通帳 申込書 発注書や請求書 |
個人事業主の利用 | 利用可 |
面談の有無 | オンライン完結 |
申し込み方法 | 電話・メール |
公式サイト | https://www.nextstyle-tokyo.com/ |
- 全国3店舗に展開中の大手
- 20万円〜少額に対応
- 個人事業主でも利用可能
NEXTSTYLEは中小企業に特化したオンライン完結型ファクタリングサービスで、注文書(発注書)ファクタリングに対応しています。
赤字決算・税金滞納・債務超過でも利用対象者としており、業種による利用制限もないため、審査体制は柔軟であることが期待できます。
ファクタリングを利用する事業主は、すでに手元のキャッシュに余裕のないケースが多いため、利用制限を緩く設定されているのは嬉しいポイントでしょう。
入金スピードは、最短4時間・審査の結果も30分でわかるスピード対応です。
必要書類は、入出金の確認ができる通帳・申込書・発注書(請求書)の3点のみ。
ほかのファクタリング会社に断られてしまった・入金を急いでいる、といった方には、うってつけのサービスといえるでしょう。
注文書ファクタリングのメリット
注文書ファクタリングのメリットは以下の通りです。
取引先から発注を受けた時点で資金調達・現金化できる(最短即日)
注文書ファクタリングの最大のメリットは、資金調達・現金化までのスピードが格段に早い点です。
注文書は、取引先から発注を受けた時点で発行されます。
依頼を受けた時点で資金調達・現金化できれば、事前に材料費・人件費を準備できるため、仕事を受注する企業にとっては資金繰りを円滑に回しやすくなります。
特に建設業や運送業において「大口の発注を受けたのに仕事に必要な経費を払えない」といったケースで注文書ファクタリングは役立つでしょう。
取引先に知られずに利用可能
注文書ファクタリングは、取引先に知られずに資金調達できるメリットがあります。
注文書ファクタリングの契約形態は、基本的に2社間ファクタリングです。
取引先に知らせる必要がないため、資金繰り悪化を察知されて今後の付き合いに悪影響が出る、といった懸念がありません。
また、ファクタリング契約に売掛先が絡まないため、申し込みから入金までの手続きが早い点もメリットといえます。
取引先が倒産しても返金義務はない
注文書ファクタリングで資金調達した後で、返済前に取引先が倒産しても、基本的には返金義務はありません。
ファクタリング会社は貸金業者ではないため、債権請求権の設定はないのが一般的です。
債権請求権とは、売掛先が倒産した際に、ファクタリング利用者に返金を求められる制度です。
融資では、売掛先が倒産した際の責任は利用者にあり、そもそも未回収とならないために、保証人・不動産担保が契約時に求められるケースがあります。
注文書・請求書ファクタリングでは、債権請求権なし(ノンリコース契約)が主流となっており、売掛先の倒産による自社の損害はないため、この点もメリットといえるでしょう。
受注から入金までのサイクルを短縮できる
注文書ファクタリングは、最大で6カ月早く資金調達・現金化できるのがメリットです。
発注を受けた時点で資金化できるため、資金繰りの悪化を起こす前に対策を取れます。
そのため、注文書ファクタリングは資金ショートを防ぎやすくなるメリットにもつながります。
仕事に必要な資金を前もって用意できる
注文書ファクタリングを活用すれば、仕事に必要な資金を前もって用意できるメリットがあります。
企業間では、掛取引が日常的に行われています。
基本的には仕事を受注する側が、人や資材にかかるお金を前もって準備しなければなりません。
注文書ファクタリングでは、事前にキャッシュを調達できるため、大口案件であっても手元の資金を気にせずに発注を受けることができます。
注文書ファクタリングは事業拡大をしたい個人事業主・中小企業にとってメリットが大きいため、積極的に活用したいサービスでしょう。
注文書ファクタリングのデメリット
注文書ファクタリングのデメリットは次の通りです。
請求書買取よりも手数料が高い
注文書ファクタリングは、通常の請求書ファクタリングより手数料が高めに設定されています。
理由は、ファクタリング会社にとっての未回収リスクが、請求書ファクタリングよりも高いから。
注文書ファクタリングは、売り上げが完全に確定していない売掛債権を、最大6カ月ほど早く振り込むことになるため、業者にとって回収不能となるリスクが高いのです。
注文書ファクタリングは通常の請求書ファクタリングより、手数料が高い点は留意しましょう。
請求書買取よりも審査が厳しい
注文書ファクタリングは未回収リスクが高く、通常の請求書ファクタリングよりも審査が厳しい点もデメリットの1つです。
審査で見られる点は通常の請求書ファクタリングと同様、
- 売掛先の信用力
- 売掛先との取引期間
- 売却希望金額
など。
ただし、注文書買取の審査通過のハードルは通常の請求書ファクタリングより高いため、審査落ちの可能性はあります。
3社間での利用はほぼできない
注文書ファクタリングは、基本的に2社間ファクタリングしかありません。
そのため通常の請求書ファクタリングのように、3社間ファクタリングで手数料を抑える、といった選択肢をとれないのがデメリットとして挙げられます。
取扱のある会社が少ない
注文書などの将来債権を取り扱うファクタリング会社は多くありません。
注文書ファクタリングとは、将来発生する予定の債権(将来債権)で資金調達・現金化できるサービスです。
売掛債権は取引の段階に応じて、以下のように分類できます。
- 将来債権:商品やサービスの提供を完了しておらず、請求書の発行もしていない債権
- 想定債権:商品やサービスの提供を完了したが、請求書を発行していない債権
- 確定債権:商品やサービスの提供を完了し、請求書の発行もしている債権
一般的なファクタリング契約は、「確定債権」を買取対象としています。
将来債権に関しては、従来は明確な規定がなかったのですが、2020年の改正民法で明文化されたことにより、将来債権を取り扱うファクタリング会社が登場しました。
上記3つの債権の中で、最も未回収リスクが高いのは将来債権で、リスクが低いのは確定債権です。
まだ新しい債権譲渡の形であることと、ファクタリング会社の未回収リスクの高さが、取扱いできる会社が少ない背景と考えられます。
注文書・請求書ファクタリングの使い分け方
注文書ファクタリングと請求書ファクタリングの使い分けポイントを解説します。
請求書を売却すべきシーン
以下のようなシーンでは、請求書ファクタリングの利用がおすすめです。
- 手数料をあまり払いたくない
- 確実に審査通過して資金調達・現金化したい
- 事業拡大に向けて手元にキャッシュを残しておきたい
請求書ファクタリングで、本来の売掛金の入金日より調達を早められる日数は、30〜60日です。
この期間で資金繰りを解決できるのであれば、通常の請求書ファクタリングを選びましょう。
なぜなら注文書ファクタリングは審査通過の難易度が通常の請求書ファクタリングより高く、手数料も高めに設定されているからです。
通常の請求書ファクタリングで資金繰りを改善できるのであれば、わざわざ注文書ファクタリングを利用する必要はありません。
また手数料を抑えたいという方も、通常の請求書ファクタリングを利用した方が良いでしょう。
もし、3社間ファクタリングを利用するのであれば、手数料相場は1〜9%です。売掛先の信用力が高ければ、さらに手数料を下げられるでしょう。
時間的に余裕があり、手数料を抑えたいのであれば、請求書ファクタリングを利用しましょう。
注文書ファクタリングを使うべき場面
以下のようなシーンでは注文書ファクタリングを使うべきといえます。
- 運転資金が足りない
- 受注段階で資金調達・現金化したい
発注を受けた仕事を進めるための運転資金が足りなければ、売掛金の入金日を早める必要があります。
資金調達・現金化を30〜60日早められる通常の請求書ファクタリングではなく、最大180日早く資金調達・現金化できる注文書ファクタリングを選びましょう。
ただし注文書ファクタリングの手数料は通常の請求書ファクタリングより高く設定されています。
自社の財務状況や、発注を受ける案件の規模感に応じて、早期に資金調達・現金化が必要と判断した場合には、注文書ファクタリングの利用が適しているでしょう。
注文書ファクタリングに関するよくある質問
注文書ファクタリングに関するよくある質問と回答を紹介します。
- 注文書ファクタリングは建設業でも使えますか?
- 注文書ファクタリングはどのくらいの支払いサイトに対応していますか?
- 請求書ファクタリングとの違いは何ですか?
- 注文書ファクタリングの審査について教えてください
- 注文書買取の手数料相場はどれくらいですか?
- 注文書ファクタリングは個人事業主でも利用できますか?
- 見積書・発注書・契約書・受注書ファクタリングとの違いはなんですか?
- 注文書で融資は受けられますか?
注文書ファクタリングは建設業でも使えますか?
注文書ファクタリングは、建設業でも利用可能です。
以下の業者は、建設業に特化した注文書ファクタリングサービスを提供しています。
注文書ファクタリングはどのくらいの支払いサイトに対応していますか?
最大6カ月程度まで対応しています。
請求書ファクタリングとの違いは何ですか?
資金調達・現金化の対象が請求書なのか注文書なのかという違いがあります。
両者とも、ファクタリング利用者が、売掛債権を売却して早期に資金調達・現金化できるサービスであることに違いはありません。
またそれに伴い、前倒しできる期間・手数料・審査の難易度、などの条件にも違いが生じます。
注文書ファクタリングの審査について教えてください
注文書ファクタリングの審査内容は、通常の請求書ファクタリングと大きな差はありません。
- 売掛先の信用力
- 売掛先との取引期間
- 売却希望金額
- 利用者の実績や人柄
上記のような項目が、一般的に審査で重点的に見られるポイントです。
とくに、注文書ファクタリングは2社間ファクタリングでの契約となるため、ファクタリング会社は、持ち逃げリスクや2社分の倒産リスクを背負うことになります。
ファクタリング審査では利用者の財務状況を問わない傾向にありますが、注文書ファクタリングでは利用者(社)の状況やパーソナルな面も審査に加味される傾向にあります。
そのため、注文書ファクタリングは通常の請求書ファクタリングよりも、審査落ちの可能性は高いといえます。
注文書買取の手数料相場はどれくらいですか?
注文書ファクタリングの手数料相場は、業者によって異なります。
本記事で紹介したファクタリング会社では、以下の通りです。
- GMO BtoB 早払い
請求書買取:1〜10%
注文書買取:2〜12% - ベストファクター
請求書買取:2%〜 - ベストペイ
注文書買取:5%〜
ファクタリング会社が提示する請求書買取手数料に1%〜3%上乗せした数字が手数料相場と考えられます。
注文書ファクタリングは個人事業主でも利用できますか?
個人事業主が利用できる注文書ファクタリングは少ないですが、「トップ・マネジメント」は個人事業主でも利用可能な注文書ファクタリング業者です。
見積書・発注書・契約書・受注書ファクタリングとの違いはなんですか?
見積書・発注書・契約書・受注書を使ったファクタリングのいずれも、注文書ファクタリングと資金調達のタイミングはほぼ同じです。
一般的な注文書ファクタリングは「注文書」を必要書類としていますが、ファクタリング会社によってどの書類でファクタリングを利用できるのか異なります。
注文書で融資は受けられますか?
注文書で融資を受けるには、ファクタリングではなくPOファイナンスを利用します。
POファイナンスは、Tranzax株式会社が提供する債券担保融資の金融サービスです。
注文書ファクタリングと同様、受注段階の資金調達が可能です。
POファイナンスとファクタリングの違いは次の通り。
- POファイナンス:売掛債権を担保にした融資
- 注文書ファクタリング:売掛債権の譲渡(売却)
POファイナンスは融資なので手数料ではなく、金利がかかります。
またPOファイナンスは、補助金・助成金など、国や地方公共団体から給付される債権を担保に銀行借入が可能です。
注文書ファクタリングとは まとめ
おすすめの注文書ファクタリング会社を紹介。注文書ファクタリングのメリット・デメリットなども解説しました。
注文書ファクタリングの主な特徴は、以下の3つです。
- 注文書ファクタリングは、注文書(発注書・受注書)を売却して資金調達・現金化するサービス
- 本来の売掛金の入金日より、最大6カ月早く資金調達・現金化できる
- 通常の請求書ファクタリングより手数料が高く審査も厳しい傾向にある
注文書ファクタリングは通常の請求書ファクタリングよりも手数料が高く審査も厳しい傾向にあるものの、最大6カ月前の資金調達が可能になります。
「大口受注の際にまとまった資金が必要になったけど手元にキャッシュが無い」
「仕事はあるのに資金が枯渇して困っている」
このような方は注文書ファクタリングを検討してみてはいかがでしょうか。
注文書ファクタリングの取り扱いがあるファクタリング会社は少ないため、ぜひ本記事を参考にしてください。